未来の愛大生へ

2026.09.10
好きなことの未来を手作りする

上月 翔太 准教授

●教育・学生支援機構
●高等教育論、西洋古典文学

音楽が学びたくて大学に入ったのに、なぜかラテン語文学の研究を行い、そして紆余曲折を経て、「未来思考」なるものの書籍を出版することになりました。本学の共通教育で、未来思考を学んでもらうための一冊です。未来を予測し、想像するだけでなく、さまざまな知識を活かして行動するための方法をまとめたものです。

この書籍を執筆している間の大きな変化といえば、やはりAIの発達です。おそらくAIがなんでもできる未来はそう遠くないと思えます。では、もしそんな未来が訪れたら、わたしたち人間はどうすればよいのでしょうか。万能なAIがいつでもどこでも使える時代に、あなたはどう生きていたいですか。こうした問いを考えるのも、未来思考の一つです。

現時点での私の答えは、「好きなことを手作りする」ことです。まず大切なのは、何かを「好き」であることです。「好き」であることは案外難しいと感じています。直感も悪くないですが、その対象を語る語彙を増やしたり、歴史を調べたり、分析をしてみたり、その対象にあえて批判を試みたりすることで、「好き」を深め、より確かなものにできるはずです。専門分野の学びにはこの側面が大いにあります。

そして、「手作り」という感覚も大切にしたいものです。AIが何でもつくれる時代に、何かを「不完全でも自分の手で作り上げたい」と感じ、実践できれば、きっと人生を豊かにするでしょう。AIなら簡単に翻訳できてしまいそうなラテン語の詩を、それでもノートに写して辞書をひきながら、自分の言葉で訳している私は、この「手作り」の楽しさに魅了されているのでしょう。

愛媛大学は、自分の「好き」を見つけ、学びによって深め、その先にある未来を考える場所です。まだ「好き」が見つからなくても心配ありません。「好き」がたくさんあってもよいでしょう。「好きなことの未来を手作りする」、その最初の一歩をぜひ愛媛大学で踏み出してみませんか。

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