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重要なお知らせ

未来の愛大生へ

2023.12.04
大学での学びは「普遍性の追求」にあり

高橋 学 教授

●社会共創学部
●機械工学(材料強度学)

私は工学部から社会共創学部の産業イノベーション学科ものづくりコースに移籍しました。「ものづくり」というと製品をつくるイメージですが、私の研究はものづくりに必要な材料や製品が壊れた原因を分析して、設計にフィードバックする強度と破壊に関する研究をしています。ちょうど材料分野と設計分野の境界領域に立ち、どちらの分野にも携わることができる研究です。

ところで、高校生のみなさんは「では問題です!」と言われると、ある教科のテストやクイズの問題が浮かぶでしょうか。みなさんはこれまで問題を与え続けられ、一つの正解にたどり着くことで評価されてきたと思います。しかしデジタル時代へと急速に変化する中で、知識を記憶し、素早く取り出す作業や計算する作業はコンピュータが得意とすることです。今後、皆さんを待つ社会は、“経験に裏付けられた知識”と“多様な人と対話”しながら「新しい価値を生み出す」ことが評価されます。そのためには、現状と理想のギャップを見抜くことが鍵になります。社会や産業などの問題は複雑であり、様々な要因を含んでいます。大学で学べる専門科目は、複雑で多様な要因をもつ現象から主たる要因を抽出し、単純化したモデルとして示したものですが、これらは正解ではありません。したがって、その理論を実社会でそのまま使うことはできません。しかしながら、問題を解決に導く考え方は大いに利用すべきであり、大学ではその考え方をしっかり理解し、身につけて欲しいと考えています。

その考え方とは、社会や産業などの問題を俯瞰的な視点から捉え、三つ程度に絞った主要素の関連を調査し、ある一定の法則を導いた上で、実社会(俯瞰的視点)へと応用させることだと思います。その法則が、モデル化や式化されることで「変わらない特性(普遍性)」と「要素の追加(拡張性)」を持つことになります。これは文系理系を問わず、大学で身につける考え方であると私個人として日々考えていることです。

大学は専門知識と経験をもつ教員がたくさんいます。学部・学科を超えて学べる場を大いに活用し、自分自身のスキルを高められる環境があります。それを活かせるのはあなた自身であり、教員はそんなあなたをサポートします。

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