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お知らせ

愛媛大学航空力学研究会が第27回鳥人間コンテストに参加決定

− 飛べ!忠八翁の夢のせて −

 このたび愛媛大学航空力学研究会が第27回鳥人間コンテストに参加することになりました!!
 愛媛の偉人、二宮忠八翁考案「カラス型模型飛行機」をモデルに制作された「平成カラス1号」が、今年7月、琵琶湖の空を飛びます。
 初出場ながら、全国から集まった強豪チームに混じって奮闘する本学航空力学研究会の応援をお願いします。
 
この件に関するお問い合わせは・・・工学部機械工学科 助手 豊田 洋通(TEL 089-927-9732)
〜彼らの笑顔と感動を愛媛大学は応援します〜
愛媛大学航空力学研究会(二宮翔会にのみやしょうかい)    ホームページはこちら

■ はじめに

 愛媛大学工学部を中心として結成された愛媛大学航空力学研究会(二宮翔会)は、愛媛県の生んだ二宮忠八の設計した飛行機を現在の技術で再現し、 『人力飛行機』 として鳥人間コンテスト参加・優勝に向け活動を続けています。このコンテストへの参加によって、郷土の英雄、二宮忠八の名前を世間一般の人々に知ってもらうばかりでなく、愛媛大学の実力を世間にアピールすることを目的としています。さらに、航空力学、流体力学、材料力学を基礎として、講義で学んできことを実践し、人力飛行機や模型飛行機などを制作してコンテスト以外にも模型飛行機の製作教室などの様々なイベントも計画しています。工学部機械工学科 野村信福、豊田洋通の両顧問教官と、大学院工学研究科機械工学専攻 宇高顕績部長以下、43名の学生が所属する大きな研究会となりました。我々はこのたび、下記に述べるコンセプトのもとに人力飛行機を設計した結果、2003年7月26日(土)、27日(日)に開催される第27回鳥人間コンテスト(主催:読売テレビ)に参加することが正式に決定しました。

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二宮忠八の考案したカラス型模型飛行機(イメージ画)

■ 人力飛行機設計コンセプト

 1.デザイン
 機体の形状は、愛媛の生んだ航空理論の先駆者である二宮忠八が1891年に考案したカラス型模型飛行機をモデルとしています。二宮忠八は、ライト兄弟より12年前に、現在の飛行理論とほぼ同じ理論を考案していたことで知られています。
 近年の人力飛行機において長距離飛行を達成した機体は、いずれも非常に類似した構造設計となっています。つまり、現状の一般的な機体構造では、飛行性能の極限に到達していると思われます。そこで、革新的な機体構造を完成し、人力エネルギーを限りなく駆動エネルギーに変換する機構の開発が必要であります。
 愛媛大学航空力学研究会は、革新的な機体構造を備え、極限設計が要求される人力飛行機を設計するにあたり、飛行理論の原点は、自然界において実際に大空を自由に飛ぶために進化し続けてきた昆虫や鳥にあると考えました。さらに、長距離飛行を想定した上で、鳥の飛行理論が最適であると考えました。我々と同じ着目点を持っていた愛媛県出身の二宮忠八が考案した飛行理論をベースとし“平成カラス1号”は、そのカラス型模型飛行機を忠実に再現し、二宮忠八の航空機理論を元に、人力飛行機としての飛行性能を備えた構造デザインとしています。

 2.機体の特徴
 二本の胴体フレーム及び改良型Vテールを持つ、上部プッシャー型の機体を採用し、主翼には今回の原型となったカラス型模型飛行機と同じ後退翼を用いました。
 また、プロペラの回転軸が機体の重心より高い位置にある構造上、プロペラの回転軸は、三角トラスにより支える。このトラス構造及び、機体の安定性を考慮して胴体フレームを二本としました。改良型Vテールは胴体フレームを二本用いた構造上、変則的な形状としました。
 操縦席は、人間工学を基に人力エネルギーを最大限発揮できるリカンベントスタイルを使用し、長時間の飛行、すなわち長距離飛行に適応したものであります。また、パイロット自身が主翼及び胴体フレームより上部に位置する構造であるため、安全面の向上が実現されました。
 機体の制御は、優れた制御性能を備え、かつ人間工学的にパイロットが制御しやすくするために、一本の操縦桿でVテールを完全にコントロールできる機構を考案しました。その結果、操縦に対するパイロットへの負担を軽減し、左右の操舵操作をしやすくしました。

カラス型人力飛行機模型

カラス型人力飛行機模型

 3.独創性
 従来の人力飛行機は、今日まで蓄積されてきた最先端の形状、理論を基に設計されています。しかし、我々はそこを飛行理論の原点であり、空の支配者である鳥に着目し設計することで、従来の固定観念にまったくとらわれない洗練された飛行の姿が実現可能であります。
 そこで、鳥を基に飛行理論を確立させた二宮忠八の想いを継承して、彼の考案したカラス型飛行機を人力飛行機に再設計を行うことで、例年の参加チームにはない機体形状を完成しました。

 4.アイデア
 ◆軽量化
プロペラの設置における構造上の重量の増加に伴い、軽量化に様々な手法を用いました。 主翼、尾翼には、小さな穴を多数に開けることにより強度を保ちつつ軽量化を実現しました。接合部には、金属を用いることなく、CFRPを用いた独自の接合の方法を考案しました。それは、独自の継手を用いることにより強度を維持し、なおかつ軽量な接合方法であります。

 ◆操縦桿
 Vテールの操作を操縦桿一本に集積させることで、単純な動作による操作を可能にし、パイロットが行う飛行時の作業を減らしました。その結果、パイロットがペダルを踏むことに専念することができます。
総務部企画室