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教育学部≪科学イノベーション挑戦講座≫受講生が日本化学会中国四国支部大会で発表しました【11月14日(土)】

 平成27年11月14日(土)、科学イノベーション挑戦講座受講生が日本化学会中国四国支部大会で発表しました。
 科学イノベーション挑戦講座は、国立研究開発法人科学技術振興機構の次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として3年目の実施になります。
 今回は、岡山大学で開催された日本化学会中国四国支部大会で、土居香澄さん、内藤雄太さん、中西優奈さん、野崎雄介さん、藤村颯さんの受講生5人が、「発酵食品の製造と発酵原理の理解」と「植物が光で曲がる性質について」の2件のポスター発表を行いました。また、昨年度まで本事業に在籍していたOG高校生の大本理恵子さんがオブザーバーとして参加しました。
 「発酵食品の製造と発酵原理の理解」では、土居さん、中西さん、野崎さん、藤村さんを含む受講生が共同研究を進めてきた「水あめと甘酒の研究」の内容を発表しました。この研究は、味噌、しょう油、清酒、かつおぶしなど、たくさんの発酵食品がある日本での生活と化学との関わりを考え、身近な食品製造における化学研究として計画されました。この計画は、中学校第2 学年「動物の体のつくりとはたらき」で学習する消化に注目し、デンプンの加水分解反応を使った科学理論とおいしさの応用科学研究を進められています。具体的には、消化酵素のアミラーゼとマルターゼ、デンプン分解酵素をもつ菌、ニホンコウジカビを使って、デンプンを加水分解し、甘酒と水あめを製造する実験を通して、酵素反応と生物発酵に違いについて、ヨウ素デンプン反応、糖度、そしておいしさから研究しました。この研究を通して、科学理論が私たちに提供されている食品製造にどのように利用されているのか、また「おいしい」という個人の味覚を官能評価で一般化する方法について明らかにしたいと考えています。 
 また、内藤さんが、他の受講生との共同研究「植物に光を当てると光の方向に曲がる性質の解明研究」について発表しました。この研究では、植物の環境の変化に応答する仕組みの一つ光への応答性について注目しました。植物の光への応答性として、私たちが目にする機会が多いものとして、茎の成長があります。室内の窓際においた植物の茎は、光が当たる窓側にむかって曲がりながら伸びていきます。この光の刺激によって、植物が一定の方向に曲がる性質を光屈性と呼んでいます。光屈性は珍しくない現象に思えますが、その原理については完全に解明されていません。そこで、本研究では、光屈性を短時間で調べることのできる豆苗を用いて、光屈性の性質について研究しました。  本大会の参加者で唯一の中学生だったため、発表では多くの大学教員や高校生から質問がありました。質疑応答を通して、さまざまな研究の示唆を得た中学生は、研究への大きな刺激を得たようです。「次の学会に向けて研究を進めたい」という大きな目標をもち、研究者への思いを新たにして取り組んでいきます。本研究は、いずれも日本化学会中国四国支部の厳正な審査の上で、優秀ポスター賞を受賞しました。受講生の優れた研究能力が専門家の間でも高く評価されています。