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大学院理工学研究科の門林宏和さんが高圧討論会でポスター賞を受賞しました

 平成27年11月10日(火)〜12日(木)、広島市で開催された日本高圧力学会主催の第56回高圧討論会で、地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)で研究を進めている大学院生の門林宏和さん(理工学研究科先端科学特別コース博士後期課程1年)が、ポスター賞を受賞しました。

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(左から)平井客員教授、門林さん、大藤准教授

 今回受賞したポスターのタイトルは「高温高圧下におけるメタンハイドレートの状態変化」で、GRCの大藤弘明准教授、平井寿子客員教授および産業技術総合研究所と高輝度光科学研究センターの共同研究者らとの成果を発表したものです。
 メタンハイドレートは、水素結合によって水分子が作るケージ(籠)構造中にメタン分子を包有する化合物(包接水和物)で、氷やメタンを主要な構成要素とする海王星や天王星、土星の衛星のタイタンなどの巨大氷惑星や衛星の主要成分の一つとして考えられています。それらの氷天体の内部は、高温高圧の状態にあることが知られていますが、これまでのメタンハイドレートの研究はほとんどが室温〜低温高圧条件で行われており、氷天体内部に相当するような高温高圧下での物理挙動は調べられていませんでした。
 門林さんらは、メタンハイドレートの高温高圧環境における結晶構造の変化や安定性および分解生成物について、放射光を利用したその場X線回折やラマン分光、電子顕微鏡などを用いて詳しく調べました。その結果、メタンハイドレートが35万気圧、300℃以上の条件下で水(氷)とメタンに分解し、メタンはさらにダイヤモンドと水素へと分解することを初めて明らかにしました。これらの研究成果は、メタンハイドレートに代表される様々なガスハイドレートの高圧下での物理的な特性の理解に貢献するとともに、海王星や天王星など氷天体の内部構造の推定にも新たな知見をもたらすと期待され、審査員に高く評価されました。

参考HP

日本高圧力学会
地球深部ダイナミクス研究センター