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沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染・毒性解析部門の須之内朋哉さんが第31回日本セトロジー研究会学生口頭発表賞を受賞しました【12月5日(日)】

 令和3年12月5日(日)、沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染・毒性解析部門の須之内朋哉さん (大学院理工学研究科博士後期課程1年生)が第31回日本セトロジー研究会学生口頭発表賞を受賞しました。副賞として、海棲哺乳類大全も贈呈されました。

 本賞は、令和3年12月4日(土)〜5日(日)にオンラインで開催された「日本セトロジー研究会第31回大会(オンライン特別大会)」での発表が評価されたものです。須之内さんの発表演題は、「鯨類の脂皮に蓄積する有機ハロゲン化合物のスクリーニング分析」で、沿岸環境科学研究センターの国末達也教授の指導のもと取り組んだ研究成果の発表でした。

 須之内さんの研究は、日本沿岸に漂着した鯨類11種の脂肪組織(脂皮)に残留する有機ハロゲン化合物(OHCs)のスクリーニング分析を実施したもので、既存のポリ塩化ビフェニル(PCBs)や有機塩素系農薬類(OCPs)等の残留性有機汚染物質(POPs)だけでなく、多数の海洋天然物質、そして構造・起源未知物質の蓄積が確認され、日本の沿岸・外洋域に生息する鯨類は多様なOHCsに複合曝露されていることが明らかとなりました。各鯨種における蓄積プロファイルを比較解析したところ、沿岸性鯨種と外洋性鯨種で差異が確認され、生息/採餌海域の違いを反映していることが推察されました。
 本研究結果から今後、各鯨種の食性や回遊パターンを考慮した詳細な汚染源解析に加え、複合曝露によるリスク評価が必要であることを提示した点が評価されました。

 

<沿岸環境科学研究センター>