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「チベット語になった『坊っちゃん』」を開催

 平成19年3月10日(土)愛媛大学で、公開シンポジウム「チベット語になった『坊っちゃん』」を開催しました。
 当日は、雨がパラつく寒い日でしたが、学生や一般の方など約50人が参加しました。
 シンポジウムでは、『坊っちゃん』チベット語訳の完成を支援する会代表の佐藤栄作教育学部教授が「多くのご支援をいただき、チベットからの留学生を松山に迎えることができました」と謝辞を述べた後、早速、「チベット語になった『坊っちゃん』」の著者である中村吉広氏による講演を行いました。
 中村氏は、「汽船」というチベット語にはない言葉をどのように訳するか、擬音語をうまく伝えるにはどのような言葉が良いかなど翻訳の際に苦労した点やチベットでの日本語授業の様子を話されました。また、チベット語と日本語は母音が「あいうえお」である点と「てにをは」に相当する助詞を使う点で似ていることやチベットには標準語がなく、話し言葉を書いても、その土地以外では通じないことなどを話されました。
 その後、中村氏と留学生による翻訳模擬授業を行い、引き続きフリーディスカッションを行いました。フリーディスカッションでは、翻訳作業についてだけではなく、参加者から「日本に来て驚いたことは何ですか?」、「日本に来る前の日本人の印象はどうでしたか?」など、次々と質問が飛び出していました。
 最後に中村氏は「『坊っちゃん』の翻訳完成を目指していますが、これはこれからの第一歩。公的支援を得て、チベット語—日本語辞書を教え子が作成してくれることを期待します。」とまとめられ、シンポジウムを終了しました。

広報室