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HISTORY 〜施設基盤部 大矢 浩二 部長〜

平成26年3月末退職の施設基盤部 大矢 浩二 部長から大学での思い出を寄せていただきました。

 昭和56年7月、28歳の時に神戸大学施設部設備課機械掛に採用されてから32年の月日が流れ、3月末を持って退職することになりました。

 block_57411_01_M私の大学職員としてのスタートはややイレギュラーなものでした。民間工事会社の社員として、京都国立博物館増築工事を担当していた時の縁で、神戸大学の課長から熱心な勧誘をうけ、公務員試験を受けることなく人事院協議採用という形で採用されました。すでに結婚しており、給料も大幅に下がることから、最初は丁重にお断りしていましたが、半年に渡り熱心に誘っていただいたこともあり、最後はこれもなにかの縁と割り切って採用していただくことにしました。(給料面では改善はなかったが、残業手当で激減緩和を考えるということで納得したが、入ってからこれは反故になりました。)神戸大学に採用された初日に、上司の掛長から、国家公務員として自覚をもって仕事に取り組むようにと訓示?されましたが、前々日まで工事現場でヘルメットをかぶり、現場監督として親子ほど年の離れた職人に指示を出し、現場の中を走り回って働いていたので、公務員の自覚と言われても頭を切り替えるのには苦労しました。

 神戸大学を振り出しに、日本文化を専門に研究する研究所として京都市に創設された国際日本文化研究センター創設時の施設整備担当として2年間勤務した後、係長として大阪教育大学に転任し、大学全体を新キャンパスへ統合移転させる事業を担当しました。その後、大阪大学施設部に7年間勤務した後、平成14年に東京医科歯科大学施設部に転任となり、近畿ブロック以外で仕事を行うことと初めての単身赴任を経験することとなりました。法人化と同時に金沢大学施設管理部で課長となり、角間Ⅱ団地への移転統合事業と医学部附属病院再開発事業に携わった後、京都大学施設部に転任し、環境賦課金(学内環境税)制度の創設や旧帝大特有の膨大な施設整備事業の執行に4年間携わった後、平成23年4月に8番目の勤務地として愛媛大学施設基盤部に着任しました。

 愛媛大学着任までに、印象に残っているのは平成元年から始まった大阪教育大学統合移転事業です。当時、大阪教育大学は3分校に別れており、運営上の不便を解消するため、大学を丸ごと大阪府柏原市の新キャンパスへ移転統合させる事業は、多額の予算を投入するビッグプロジェクトでした。新キャンパスの開学時期が決まっており、採石場であった山をダイナマイトで切り崩して62万㎡の敷地造成を行う土木工事から始め、校舎、研究棟などの建物整備や電気、給水、都市ガスなどのインフラ整備など、規模の大きい種々雑多な工事を、概ね5年間で発注・完成させることが求められた事業でした。設置当時、大阪府内では最長の、屋根付き屋外型エスカレータ−を3基、通学路の階段(380段)に併設したことも思い出となっています。

 愛媛大学では、施設の現状を分析し、施設整備上の課題を、「安全な教育研究環境の確保(耐震化の推進)」と、「地球環境に配慮した教育研究環境の実現(省エネ対策の推進)」に設定し、概算要求の段階からこの実現に向けた取り組みを推進しました。耐震化については、毎年度補正予算が獲得出来たこともあり、25年度補正予算の示達により耐震化率が99.3%となり、文科省が掲げた27年度末に耐震化率100%の目標が達成できる見込みとなりました。耐震化工事に併せて、建物の全面リニューアル、外壁断熱化やペアガラス採用に加え、LED照明及び高効率空調機の採用により、省エネ対策も積極的に実施しています。(実態は構造耐震補強工事に要する費用よりリニューアルや省エネ対策に要する費用の方が多額となってます。)耐震化工事以外でも、校舎や体育館の古くなった照明器具をLED照明器具に更新する工事を順次進めていますが、こちらは緒についたところであり更なる取り組みが必要です。

 国立大学法人となり、施設マネジメントは、学長を中心としたトップマネジメントの一環として、経営的視点に立って、施設の有効活用、適正な維持管理、施設整備を一体的に取り組むような制度設計となりました。私は法人化後3つの大学で施設マネジメントを担当してきましたが、愛媛大学は、柳澤学長のリーダーシップの下、法人化の制度設計が最も浸透し、施設マネジメントが効率的、かつ効果的に進められている先進的な大学です。大学職員として最後の3年間を、愛媛大学で職務を全うできたことを誇りに思い、これからの人生の糧にしたいと思います。様々な場面でご指導をいただいた柳澤学長、渡邊理事をはじめ、私を支えていただいた同僚や、部下の皆様には大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。本当に有り難うございました。