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農学部の西口正通教授が第22回源内賞を受賞しました【3月25日(水)】

block_66207_01_M 平成27年3月25日(水)、農学部の西口正通教授が第22回源内賞を受賞し、公益財団法人エレキテル尾崎財団から賞状が授与されました。今回、西口教授は「農業作物遺伝子の過剰発現ならびに発現抑制(サイレンシング)による有用機能の植物への付与技術の開発とその応用に関する研究」で下記のような成果を得、本賞を受賞しました。
 西口教授は、イネのヘムアクチベータータンパク質遺伝子を過剰発現することにより、カビ、細菌、ウイルスによる病害抵抗性、耐塩性、耐乾性、光合成効率と分げつ数の増大という7つの機能を同時に付与することを発見しました。このことは、栽培可能な地域を増大させ、作物栽培の安定化をもたらす技術に直結し、今後地球人口の増大に対する食料不足、あるいは地球温暖化にともない求められている低炭素化技術としても利用でき、色々な有用生物資源の作出に貢献できると考えられます。
 また、遺伝子の発現抑制(サイレンシング)について、作物に毎年多くの被害をもたらすウイルス病(タバコモザイクウイルスに代表されるトバモウイルス)の増殖に関与するタバコ遺伝子をサイレンシングさせたタバコを作成しました。そして、これを台木とし、穂木に普通のタバコ品種あるいはトマト品種を用い、接ぎ木植物を作成しました。この接ぎ木植物の穂木において、ウイルス増殖が抑制され、ウイルス抵抗性が付与されることを見出しました。また、夏季高温時にはトマト生育が抑制され、果実収量が減少しますが、高温耐性に関わる遺伝子をサイレンシングしたトマトを台木に、普通の栽培トマトを穂木にした接ぎ木植物を作成したところ、穂木にも高温耐性が付与されることを見出しました。この技術は、サイレンシングと接ぎ木の組合せにより、ウイルス抵抗性や高温耐性以外の有用機能を、普通の栽培植物に付与することにも応用できる可能性があります。