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科学イノベーション挑戦講座受講生が日本生物教育学会全国大会で『優秀プレゼン賞』を受賞しました【1月11日(日)】

 平成27年1月11日(日)、科学イノベーション挑戦講座受講生によるポスター発表2件が、本学で開催された日本生物教育学会第98回全国大会中高生ポスター部門において『優秀プレゼン賞』を受賞しました。科学イノベーション挑戦講座は、科学技術振興機構次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として、昨年度から実施されています。本年度は、昨年度から参加している5人の初年度受講生に加えて、新たに9人の受講生を迎え、総勢15人の受講生が先進的な科学研究に従事しています。
 今回、科学イノベーション挑戦講座で共同研究してきた研究成果のポスター発表2件(5人の受講生による発酵の研究、4人の受講生による腐敗の研究)が、優秀な発表であったと認められ、『優秀プレゼン賞』を受賞しました。
 当日のポスター発表では、 2時間にわたって多くの参加者に説明し質疑を受けました。多くの示唆が得られた受講生は、今後の研究について大きな刺激を得たことと思います。

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賞状

 

ポスター発表の内容は、以下のとおりです。

〔発表題目「私たちの生活と微生物〜発酵」〕
 本研究は、生麹を用いてデンプンの糖化について研究し、おいしい甘酒を造ることを目的としています。生麹中にいる麹菌は、デンプンを加水分解して分解する性質をもっています。この反応を糖化とよびます。そして、デンプンに生麹と水を加えると、糖化が進行しデンプンが分解され、デキストリン、マルトース、グルコースになります。この過程は、中学校2学年の消化で学習する「だ液」に含まれるアミラーゼによる作用で、私たち人間がデンプンを消化する過程と全く同じで、麹菌はデンプンを甘酒に変えます。
 そこで、温度やデンプンを変えてヨウ素デンプン反応と糖度測定から、この糖化反応について研究しました。また、甘酒は通常蒸し米を原料にしていますが、蒸し米以外のデンプンからおいしい甘酒を造れるかどうか、オートミール、豆乳、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、かぼちゃ、トウモロコシ、小麦粉、片栗粉を原料として、甘酒造りに挑戦しました。その結果、糖度は蒸し米が最も高いが、味は蒸し米よりもサツマイモの方がおいしいことが明らかになりました。おいしいかどうかの測定には、科学的な測定よりも、味覚や嗜好が重要であることが分かりました。

〔発表題目「私たちの生活と微生物〜腐敗」〕
 本研究は、8種類の食品添加物グリシン、ソルビン酸ウエノ、安息香酸ナトリウムウエノ、デヒドロ酢酸ナトリウムウエノ、CC−50、モノプロンA、ホセンエースNK、アジャスター2が、どのように制菌性を発揮するのかを研究しました。蒸し米にスプレーで添加物を噴霧した場合、蒸し米に食品添加物を溶かした水溶液を加えた場合、大腸菌培地に食品添加物を加えた場合(水溶液と寒天培地)、米を蒸す過程で食品添加物を加えた場合の5つの条件について検討し、食品添加物の有用性について研究しました。その結果、噴霧した場合はデヒドロ酢酸ナトリウムウエノ、水溶液を加えた場合はソルビン酸ウエノ、大腸菌の水溶液はCC−50、寒天培地はソルビン酸ウエノという結果を得ました。蒸す過程で、食品添加物を加えた場合は、どの場合も全くカビが生えないという結果になりました。これは、条件が整いすぎたためではと考えられ、今後の研究が待たれるところです。なお、本研究は、株式会社上野製薬の支援によって行われています。

科学イノベーション挑戦講座のサイト