お知らせ

大学院教育学研究科と教育学部の学生グループが松山市立久枝小学校で藍の抜き染めを行いました【3月6日(木)】

平成26年3月6日(木)、愛大GP「伝統の継承プログラムを通したグローカルマインドの育成」事業として、教育学研究科2年の段王里菜さんをリーダーとする学生グループ13人が、松山市立久枝小学校で藍の抜き染めを使って「二分の一成人式」の記念品制作を行いました。

 本事業は、本学が支援する教育改革促進事業(愛媛大学GP)で、今年度採択されたものです。忘れられようとしている地域の伝統を復権する作業を通して、自らの来歴を知り、伝統に立脚した人格を育成して、世界に通じるグローカルマインドを持つ人材を育成することを目的としています。
 愛媛県の伝統の織物に「伊予絣」があります。伊予絣は、藍染めを用いた織物で、明治36年には絣の全国生産量1位になり、愛媛県は伊予絣を通じて全国に知られていました。しかし、現在、愛媛県を含む四国で藍染めは衰退しており、藍染めを知らない子どもたちが増えています。そこで、本事業では、伝統の継承プログラムを通じて、地域の一員として自覚と誇りをもって行動し、目的達成のために多様な人と協働する、グローカルマインドをもった次世代を担うリーダーとなる人材を育成することを計画しました。

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手に抜き染め剤を塗っています

 本実施は、昨年度に引き続き、久枝小学校からの提案で実施するもので、10歳になる4年生の「二分の一成人式」の記念品を制作するため、4年生児童131人が藍染めした木綿ハンカチに手形の抜き染めを行いました。
 当日は、久枝小学校の三木淳史教諭と、本学教育学研究科2年の段王里菜さん、教育学部4回生の上杉香織さん、味呑耕平さん、和田敬行さん、 3回生の石田真理さん、泉川恵美さん、小倉一哲さん、坂本捷彰さん、中野徹さん、藤田理央さん、法文学部1回生の大柳美優さんが協働して実施しました。また、フィリピンから本学部に留学しているグレッグ・タビオス・パウイレンさん、ジョエル・ベルナール・ファウスティーノさん、アイリン・グバンティス・デェラクルズさんの3人も一緒に参加し、日本の伝統文化に触れました。
 抜き染めは、久枝小学校の児童が事前に制作した名前と日付の切り絵、本学部の学生グループが染色した藍染めハンカチ(27 cm×27 cm)、でんぷん糊、片栗粉、台所用漂白剤で調整した抜き染め剤を使用して行いました。児童は、抜き染め剤を塗った手のひらをハンカチに押して手形をつけ、切り絵を使って名前と日付を抜き染めしました。続いて、いったんドライヤーで乾かしてから水洗いを行い、室内に干して抜き染めを完成させました。
 児童からは「最初は糊(抜き染め剤)を塗るのは気持ち悪いと思ったけど、やってみたらきれいに色を抜くことができて楽しかった」「大学生の人たちが丁寧に指導してくれて楽しかった」などの感想があり、藍染めを使った記念品製作は良い思い出になったようです。

 本事業を通じて、学生は小学校の先生方と協働し、児童の地域への愛着を達成することで、地域の一員として自覚と誇りを得、グローバル化やグローカルマインドについて大きな知見を得ることができました。そして、来年度に向けて多くの実りのあった実践になりました。

 なお、この活動は、朝日新聞(2014.03.08)、愛媛朝日放送(2014.03.06スーパーJチャンネル第2部)、愛媛新聞(2014.03.06)で報道されました。

 本事業は、次回3月21日(金)に、子ども放課後支援事業「ほりえゆめくらぶ」の卒業記念品製作で藍の抜き染めを行う予定です。<教育学部>