お知らせ

「中国四国植物学会第71回大会」で、大学院理工学研究科の学生らが優秀発表賞(口頭発表部門)などを受賞しました【5月10日(土)〜11日(日)】

 平成26年5月10日(土)、11日(日)、岡山理科大学で開催された「中国四国植物学会第71回大会」で、大学院理工学研究科博士前期課程1年の神原綾子さんと理学部生物学科4年の松本奈波さんが優秀発表賞(口頭発表部門)を、平成25年度高大連携科目「附属高校課題研究」受講生の馬越真由佳さんが優秀発表賞(ポスター発表部門)を受賞しました。

 本賞は、中国四国植物学会で、主として本人が行った研究成果について、口頭またはポスター発表を行った学会員である学生あるいは若手研究者(40歳未満の研究員や助教)の中から選出され、優秀発表賞(ポスター発表部門、口頭発表部門)として表彰されるものです。
 神原さんは、理工学研究科の佐久間洋准教授の指導の下、シロイヌナズナの環境応答について研究し、「温度・水欠乏応答性遺伝子At1g73480のプロモーター領域の網羅的解析」というタイトルで口頭発表を行いました。
 シロイヌナズナは最初に全遺伝子の解読が完了した植物で、At1g73480は水欠乏や高温、低温などの環境変化に応答して発現量が増加するシロイヌナズナの遺伝子です。本研究では、発現制御メカニズムを解明するため、この遺伝子の発現調節領域DNA断片に結合する複数のタンパク質を特定しました。これらのタンパク質は植物が温度変化や乾燥に耐える際に、互いに協力して遺伝子の発現量を調節していると考えられます。

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松本さんの発表の様子

 松本さんは、現在、アサガオの蔓が支柱に巻き付くメカニズムを解明するための研究に取り組んでいます。今回受賞した研究テーマは、「アサガオの支柱への巻き付きにおける表層微小管の関与」であり、理工学研究科の金田剛史助教との共同研究で進められたものです。 
 本研究で松本さんは、支柱と接触すると、アサガオの蔓の細胞内の微小管というタンパク質繊維が一部消失するという現象を発見しました。また、この蔓の巻き付きに植物ホルモンのジベレリンとエチレンが部分的に関与することを明らかにしました。これらの成果は、誰でも知っているアサガオの蔓が支柱に巻き付く現象について、これまでよく分かっていなかったその仕組みを解明する道を開くものです。
 馬越さんは、2013年度高大連携科目「附属高校課題研究」において、理工学研究科の金田助教の指導の下で、イグサの園芸品種ラセンイの茎がらせん状に伸長する仕組みを解明するための研究に取り組みました。今回の賞は、金田研究室の学生との共著で、「ラセンイの茎のらせん伸長と微小管の配向との関係」というテーマで、その成果を公表したポスター発表に対して授与されたものです。本研究では、ラセンイの茎がらせん状に伸長する仕組みに、表皮細胞の微小管が消失する現象が関わっていることを明らかにしました。

 これらの受賞は、何れも研究内容に加え、プレゼンテーションの技術などについて総合的に評価された結果、発表後に行われた学会員の投票により選出されました。“リケジョ”として、今後の研究活動における彼女たちの活躍が大いに期待されます。

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賞状

<理学部>