平成26年7月12日(土)、愛大ミューズM実験室1とM実験室3で、《科学イノベーション挑戦講座》第1回講座「理科が得意な高校生に挑戦しよう!」を開催しました。
科学イノベーション挑戦講座は、科学技術振興機構次世代科学者育成プログラムメニューB採択事業として、昨年度から実施されています。科学の世界にイノベーションを起こす人材を養成する目的で開催されており、JST次世代科学者育成プログラムのうち、中学生を対象とした事業で、全国で5件しか採択されていません。この事業の特徴は、1.生徒による共同研究、2.教育委員会や中学校教諭との協働、3.生徒の行動評価、4.女性研究者の育成の4点で、地域の学校と協働しながら、次世代の科学者のリーダーとなり得る人材の育成を目指しています。
本年度は、昨年度から参加している7人と、新たに13人の中学生が参加し、総勢20人の受講生(男子11人、女子9人;1年生6人[男子4人、女子2人]、2年生9人[男子4人、女子5人]、3年生5人[男子3人、女子2人])が先進的な科学研究に取り組みました。
第1回目となる今回の講座では、「理科が得意な高校生に挑戦しよう!」というテーマで、愛媛県教育委員会サイエンス・パートナーシップ事業「えひめ高校生サイエンス・チャレンジ」と協働して行いました。
えひめ高校生サイエンス・チャレンジの化学領域「生物と化学の連携を重視した生物発酵の反応速度の探究−麹菌を用いた日本酒の製造技術から学ぶ−」では、県内18校(三島高校、新居浜東高校、新居浜西高校、西条高校、今治北高校、今治工業高校、弓削高校、松山北高校、松山中央高校、上浮穴高校、伊予高校、大洲高校、八幡浜高校、川之石高校、吉田高校、今治東中等教育学校、松山西中等教育学校、愛媛大学附属高校)から、64人の高校生が参加しました。中学生たちは2人1組で高校生グループに入り、高校生たちと共に、酵母を使ったアルコール発酵の反応速度を制御する高度な実験を行いました。
実験では砂糖水に酵母を加え、二酸化炭素とアルコールに変える化学反応を観察し、水や湯を使い分けて砂糖水の温度を一定に保ち2分毎に二酸化炭素の発生量をメモし、発酵速度を調べました。中学生たちは、高校生たちと役割分担をし、テキパキと実験を進めたり、詳細な実験ノートを作成したり、自分の興味ある内容について質問したりと、それぞれ自らの意欲・能力を発揮しながら研究を進めることができました。
今後は、今回学んだ内容を活かして、麹菌を用いた研究を中学生同士で共同研究として行っていく予定です。各学校で研究を進める高校生たちに研究結果でも挑戦できることを楽しみにしています。
なお、本内容は、愛媛新聞社2014年7月14日朝刊で報道されました。
次回は、7月26日(土)に「世界結晶年記念講演」として、世界結晶年日本委員会実行委員会委員長であり、理化学研究所放射光総合科学研究センター副センター長の髙田昌樹教授の講演があります。世界をリードする日本の結晶学分野でもトップの人材であり、世界最高性能のX線自由電子レーザーを持つSpring-8の副センター長でもある髙田教授から、貴重なお話を聴くことができると思います。
<教育学部>