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愛媛大学附属高校の2年生が、愛媛県の郷土料理「いぎす豆腐」作りを体験

平成23年8月6日(土)に伯方島で、また、20日(土)に二神島において、附属高校「生活健康系列」の生徒3人が、愛媛県の郷土料理「いぎす豆腐」作りの体験実習を行いました。

 いぎす豆腐とは、愛媛県今治市を中心とした瀬戸内海地方に伝わる郷土料理で紅藻に属する海藻のイギス(Ceramium kondoi Yendo)を大豆粉と共に煮溶かして固めた食品(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)です。現在、愛媛県「しまなみグリーンツーリズム推進協議会」の体験メニューでは、今治市伯方島と越智郡上島町弓削島の2ヶ所でいぎす豆腐作りの体験ができます。
 今回の体験では、本校家庭科皆川勝子教諭が、「高校生による『いぎす豆腐』のルーツ探索の調査・研究」というテーマで福武学術文化振興財団から助成金を受けたことにより実現したものです。 
 8月6日(土)、本校「生活健康系列」で家庭科を学んでいる丸本芙未香さん、梶原倭子さん、平野ゆいさんの3人は、しまなみグリーンツーリズム推進協議会の元会長でもある西部知香さんに伯方島の生大豆粉を入れたいぎす豆腐の作り方を教えていただきました。いぎす豆腐の味付けや食べ方は地域や各家庭によって異なり、今回調理した伯方島の豆腐は出汁が良く利いていて美味しかったです。

 

 また、調査の結果、いぎす豆腐には「生大豆粉」だけではなく、「米ぬか」を使ったものもあることがわかり、指導していただける方を探したところ、松山市企画政策課より二神島在住の中村起代子さんを紹介していただきました。
 中村さんは、昨年の松山島博覧会で二神島に伝わるいぎす豆腐を復元して紹介した方で、昨年中島三和漁協を退職された後、「里島(りとう)ウォークin二神島」の事務局担当として、生まれ育った二神島の活性化に向けて中心となって取り組まれている方です。
 8月20日(土)に、丸本さん、梶原さん、平野さんは二神島を訪問し、中村さんに「米ぬか」を使ったいぎす豆腐作りを教えていただきました。伯方島の生大豆粉のいぎす豆腐よりは少しあっさりした口当たりで、同じいぎす豆腐でも異なる味わいを経験することができました。「米ぬか」には思いがけないくらい多くの栄養が含まれていて、食物の命を使いつくすという先人の知恵に感銘を受けました。また、生徒もこの2回の実習で食材の扱い方や包丁の使い方において上達がみられ、有意義な体験となりました。
 今後もこのような体験実習を通して、本校生徒に愛媛の食文化への関心が深められることを期待しています。