愛媛大学は「環境方針」を定め、環境について責任ある行動をとるとともに、地域の環境問題の解決に貢献することを宣言しています。その一環として、工学部では、教職員・学生が地球環境を守ることの重要性を再認識する機会として、工学部環境講演会を開催しています。
平成21年度の講演会は、平成21年12月3日(木)15時から工学部本館大会議室を会場に、地球環境学の第一人者で愛媛大学名誉教授であり、現在、愛媛県環境創造センター所長を務めておられる立川涼先生を講師にお迎えし、「生物多様性‐その科学と政治‐」と題して講演していただきました。
講演では、20世紀のカネとモノの時代から21世紀は生活・安全・幸福の時代へと変化していることや、「生物多様性」が豊かな文化の根源であり、安心安全の基礎であるとともに、幸福を実現する原動力として重要な役割を果たしていること、さらに地球規模で通用する地球温暖化解決の省エネルギー技術や新エネルギー開発のような技術開発と異なり、地域ごとに異なった多様性を持っている技術開発が必要な問題であること、「生物多様性」はまだまだ社会的関心も低く、研究の歩みも遅く、多くの人手が必要な分野であることを、例を挙げながらわかりやすくお話していただきました。
また、「生物多様性」以外にも、「科学と政治の多様性」、「21世紀の大学に必要な多様性」や「国立大学の向かうべき方向の多様性」など様々な「多様性」の話があり、立川先生のこれまでのご経験を活かされた示唆に富む内容が盛り込まれていました。
今回の講演会には、柳澤康信学長をはじめとして、各学部、センター等からあわせて65名の教職員・学生が参加し、立川先生のお話に一同深い感銘を受けていました。