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ビル&メリンダ・ゲイツ財団からマラリアワクチン開発への研究助成が決定

平成19年12月4日(火)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(B&MGF)からオーストラリアのウォルター&エリザ・ホール医学研究所(WEHI)が主導する国際共同研究チームに、マラリアの基礎研究としては世界で初めて研究助成が決定されました。この国際共同研究にペンシルバニア大学(アメリカ)と本学のチームが参加します。

 ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、2000年に創設された世界における病気・貧困への挑戦を主な目的としている世界最大の慈善基金団体です。また、ウォルター&エリザ・ホール医学研究所は、1915年に創設された世界的に有名な研究所で、主にガンやマラリア、自己免疫疾患などについて研究しています、今回採択された新しいマラリアワクチンの候補探索を目指す国際共同研究に対して、4年間で340万ドル(約3億8千万円)の資金が拠出されます。

 この国際プロジェクトに本学から無細胞生命科学工学研究センターの遠藤弥重太センター長、坪井敬文教授、大学院医学系研究科の鳥居本美教授が参加し、遠藤センター長が開発した無細胞タンパク質合成システムを用いて、マラリアワクチンの研究を行うことになりました。

 当日は、学長表敬訪問のあと、オーストラリアと同時に記者発表を行いました。記者会見で小松正幸学長は、「今回の決定はこれまでの研究成果の証。大規模なマラリア研究に参加できるのは大変嬉しいことです。」と挨拶しました。

 引き続き、WEHIのブレンダン・クラブ博士から今回の決定に至った経緯や今後の研究内容について以下の説明がありました。

★これまでの経緯について—————–
 マラリアは世に知られて約100年。多くの研究がなされてきたが、未だ実用化されたワクチンはなく、現在でも治療が難しい伝染病で、発展途上国では子どもや妊婦が犠牲になっています。根絶には今回のプロジェクトが重要な役割を果たすと考えています。
 B&MGFは、世界中から研究者を探し出し、結びつける活動を行っています。今回も、WEHIにはワクチンとして有効な遺伝子を機能別に見つける技術があり、また、愛媛大学には遺伝子からタンパク質を作り出す技術があり、一緒に研究することで大きな成果が出せることを期待して、B&MGFが研究助成を決定しました。

★今後の研究について—————–
 現在WEHIでは、マラリア原虫から取り出した約5,000種の遺伝子の中から、感染に関係していると思われる遺伝子を約100種選び出しています。その遺伝子から、愛媛大学が無細胞タンパク質合成システムを使用し、タンパク質を作り、共同でワクチンの臨床開発に適した原虫タンパク質を特定することを目指します。

広報室