平成20年1月26日(土)総合情報メデイアセンターにおいて、愛媛大学「四国遍路と世界の巡礼」研究会の主催で、「四国遍路と世界遺産」シリーズ 第2回講演会を開催しました。
この講演会は、学術面から世界遺産に関する系統的・持続的な学習運動を展開することで、四国遍路の世界遺産登録に向けて地域の活動に役立てたいという構想を抱いている同研究会が「四国遍路と世界遺産」シリーズとして開催しているもので、今回が第2回の講演会です。講師には、国士舘大学イラク古代文化研究所教授で、国際記念物遺跡会議(ICOMOS:イコモス)の国際執行委員会の委員でもある岡田保良氏をお招きし、講演いただきました。
当日は、一般、学生、教職員や関係者など約130人が参加し、会場は満席でした。
はじめに、愛媛大学学術・国際交流担当の遠藤弥重太理事の挨拶、愛媛大学「四国遍路と世界の巡礼」研究会の内田九州男代表による講演者紹介の後、岡田氏が「世界遺産を巡る諸動向 −ICOMOS国際記念物遺跡会議の視点から−」と題して講演いただきました。
講演では、世界遺産に登録されるための必要条件や登録までのプロセス、イラクにおける文化遺産と世界遺産などについての事例紹介がありました。
最後に岡田氏は、未登録遺産の中にも歴史上重要な遺跡が多く残っており、必ずしも真実を反映していないこと、国や地域のアイデンティティーを如実に物語る遺産が、世界遺産条約に記載されている「顕著な普遍的価値」であること、世界遺産登録はゴールではなく、価値を損なわない努力の新たなスタートであると結び、講演会を終了しました。
なお、同シリーズ第3回講演会は、2月29日(金)16:00〜18:00、法文学部大会議室で「スペイン・サンティアゴ巡礼路現地調査報告」と題して開催します。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
国際記念物遺跡会議(ICOMOS:イコモス)
文化遺産保護に関わる国際的な非政府組織(NGO)で、1965年に設立。ユネスコをはじめとする国際機関と密接な関係を保ちながら、文化遺産保護の原理、方法論、科学技術の応用の研究や、ユネスコの諮問機関として、世界遺産登録の審査、モニタリングの活動を行っている。
広報室