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宇宙進化研究センターの松岡良樹准教授が「平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・若手科学者賞」を受賞しました【4月17日(水)】

 宇宙進化研究センターの松岡良樹准教授が、平成31年度科学技術分野の文部科学大臣表彰の「若手科学者賞」を受賞しました。
 文部科学大臣表彰・若手科学者賞とは、「科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的」として「萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者個人」の功績を讃えるもので、今回受賞の対象となったのは「宇宙黎明期から現在に至る巨大ブラックホール進化の研究」です。 
 平成31年4月17日(水)に東京・霞が関、文部科学省にて執り行われた授賞式には、各受賞者や同伴の各大学の広報などが集まり、華やかな雰囲気の中、柴山昌彦文部科学大臣から挨拶の後、受賞者らに表彰状が授与されました。

表彰式にて。一番右が松岡准教授、左の3名は科学技術賞を共同受賞した国立天文台ハワイ観測所の吉田道利所長ら。(c) 国立天文台

 同研究は、太陽の100万倍から100億倍にも達する質量を持つ「巨大ブラックホール」を対象として、宇宙黎明期から現在までの形成・進化に関する包括的な観測的調査を行いました。巨大ブラックホールは多くの銀河の中心部に存在し、銀河進化に深く関わっているとも言われており、その実態の解明は天文学最大の課題の1つです。松岡准教授は、すばる望遠鏡に搭載された最新鋭の広視野カメラを駆使して、宇宙最初の10億年に存在する巨大ブラックホールを多数発見しました。また可視光波長における宇宙背景放射を世界に先駆けて検出し、宇宙黎明期から現在に至る巨大ブラックホールの質量成長率に強い観測的制限を得ることに成功しました。さらに現在に近い宇宙で巨大ブラックホールの母銀河の統計的性質を調査することで、銀河との共進化の実態解明を進めました。本研究成果は、宇宙の構造形成の全貌解明に向けた重要な一歩となると同時に、次世代30m望遠鏡(TMT)計画など、わが国の宇宙物理学分野の将来計画に重要な指針を与えると期待されています。

<宇宙進化研究センター>