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宇宙進化研究センター講演会「もうひとつの地球に生命を探すアストロバイオロジー」を開催しました 【10月15日(土)】

令和4年10月15日(土)、東京大学アストロバイオロジーセンターの田村元秀センター長(同大学大学院理学系研究科教授)を講師にお迎えし、宇宙進化研究センター講演会「もうひとつの地球に生命を探すアストロバイオロジー」をオンラインで開催しました。事前に10代から70代まで幅広い年齢層の130人の方から申込があり、当日は、約80人の方にご参加いただき、後日、当日参加できなかった方を含む申込者全員の方に、視聴用の録画映像を配信しました。

アストロバイオロジーとは、生命の起源、進化、伝播そして将来を地球上と地球外で研究する学問ですが、ここ30年余りで太陽系外惑星が5000個以上見つかったことから急速に発展した分野です。「宇宙には、無数の地球があるのではないか」という問いに答えるために、「もうひとつの地球」を探すことが不可欠ですが、田村教授は「太陽系外の惑星探査はさまざまな観測手法によって多様な系外惑星が発見、確認されており、中でも近年は地球と似た惑星(サイズ、質量、生命の兆候があるか)に注目が集まっている」と紹介しました。

さらに、田村教授から、ケプラー衛星(平成21年に打ち上げられ、平成30年の運用停止までに2700個の系外惑星を発見)と、その後継となる探査衛星TESSによって確認された成果について「ほぼすべての恒星に惑星が存在し質量の軽い惑星が数多くあるため、第二の地球探査は有望であることが統計的に示されている」と説明がありました。また、トラピスト1惑星という生命を宿せる可能性のあるハビタブル惑星(恒星からちょうどよい距離で表面に液体の水が存在する惑星)の調査について、解説がありました。そして、今後は、次世代のTMT大型望遠鏡や米航空宇宙局(NASA)が令和3年に打ち上げたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡などによる観測で水や大気、生命の証拠の検出の可能性が期待されていることや、急速に進んでいる惑星の形成現場の観測についても触れ「将来的に高コントラスト宇宙望遠鏡によって、さまざまな恒星の周りの惑星に生命の兆候があるか調査できるようになるだろう」との見通しが示されました。

講演後の質疑応答のコーナーでは「もし第二、第三の地球が見つかった場合、最終的なゴールは何か」、「将来的に移住は可能なのか」、「 “生命の兆候の証拠”とはどんなものか」、「惑星の内部に生命があるかどうか調べられるのか」など、参加者の方から活発に質問が上がり、アストロバイオロジーに対する関心の高さが伺えました。

本学では、今後も宇宙や天文学の研究について、地域・一般の皆様に分かりやすくご紹介する講演会を開催してまいります。

<宇宙進化研究センター>