このたび、愛媛大学プロテオサイエンスセンターの野澤 彰 准教授、澤崎 達也 教授らの研究グループは、当センターが独自に開発してきた「コムギ無細胞タンパク質合成システム」と分子間相互作用解析技術である「AlphaScreen法」を利用することで、ジベレリン受容体 とタンパク質のジベレリン依存的相互作用を解析できるアッセイ系の構築に成功しました。
さらに、このアッセイ系を利用した化合物スクリーニングシステムにより、植物ホルモンであるジベレリンの受容体に対する新規アゴニスト分子「ジフェガラクチン」を単離することに成功しました。
本研究で単離された「ジフェガラクチン」は、ジベレリンとは全く異なる構造を有した、ジベレリン活性を持つ化合物です。また、ジフェガラクチンはジベレリンよりも単純な構造であるために、簡便な手法で合成することが可能です。今後、ジフェガラクチンの構造をもとに、植物体内のジベレリン代謝系で代謝されない、より効果的なジベレリン受容体アゴニストの開発が行われることが期待されます。また、ジフェガラクチンはBタイプのジベレリン受容体に主に作用することからBタイプジベレリン受容体の機能を明らかにする研究への利用も期待されます。
この研究成果に関する論文は、令和5年5月9日(火)18時(日本時間)に Communications Biology 誌に掲載されました。
合わせて、令和5年5月10日(水)に記者説明会を実施しました。
論文
参考
![記者会見の様子 質問に答える澤崎教授(左)と野澤准教授(右)](https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/05/PROS0643_1-1024x640.jpg)
質問に答える澤崎教授(左)と野澤准教授(右)
![愛媛新聞記事](https://www.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2023/05/愛媛新聞20230511-1024x875.jpg)
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