令和5年12月9日(土)、南加記念ホールにおいて、愛媛大学社会連携推進機構俳句・書文化研究センターシンポジウム「伊予の俳諧レガシー」を開催しました。
今回のシンポジウムは、庚申庵史跡庭園開園20周年を記念し、NPO法人GCM庚申庵倶楽部と共同主催で開催し、会場とオンライン併せて約50人の参加がありました。
はじめに、若林良和理事・副学長(社会連携推進機構長)から開会挨拶があった後、俳句書文化研究センターの小助川元太センター長から、本シンポジウムの趣旨説明と報告者としてご登壇いただく4人の紹介がありました。
続いて、NPO法人GCM庚申庵倶楽部の松井忍理事長(俳句・書文化研究センター客員研究員)から「庚申庵が伝えてきたもの」と題して、地域文化の伝承や栗田樗堂の求めた生き方について報告がありました。次に、日本女子大学文学部の福田安典教授(俳句・書文化研究センター研究協力者)から「栗田樗堂百五十年記念遺墨展であったこと-黒星乃翁を追う-」と題して、松尾芭蕉の弟子の向井去来の著作とされる『去来抄』の伝来と伊予の俳人黒星乃翁(くろぼしだいおう 三津の利屋伝三郎)との関わりについて報告がありました。
そして、NPO法人紙のまち図書館暁雨館学芸員の三宅媛子氏から「宇摩の俳諧~暁雨館を中心に~」と題して、庄屋であり俳諧活動に取り組んだ入野村庄屋山中家の役割とかつての入野地域について報告がありました。 最後に、西条市立図書館小松温芳図書館・郷土資料室学芸員の友澤明氏から「小松藩用人・長谷部映門の文芸サロン」と題して長谷部映門と妻菊圃や『静佳園』、小松藩の俳諧について報告がありました。
報告後の質疑応答では、活発な意見交換が行われ盛会のうちに幕を下ろしました。
参加者にとって、俳句の源流である「俳諧」や文化文芸のみならず、そこから垣間見える当時の世相や社会、地域との関係性など、新たな知見を得るとともにシビックプライドの醸成、地域への誇りと愛着の形成にもつながるシンポジウムとなりました。
これからも、俳句・書文化研究センターでは、地域の文化を再評価し、その研究成果の社会への発信を通じて地域貢献に努めてまいります。
<俳句・書文化研究センター>