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今治市・愛媛大学共同企画 第7回愛媛大学考古学研究室公開シンポジウムを開催

 平成18年9月16日(土)、今治市公会堂において、今治市・愛媛大学共同企画 古代たたら顕彰事業として、「鉄と古代国家〜今治に刻まれた鉄の歴史〜」をテーマに、第7回愛媛大学考古学研究室公開シンポジウムを開催しました。
  考古学研究室は、これまでに松山市、西予市(旧宇和町)、宇和島市などで6回の公開シンポジウムを開いてきましたが、今治市では以前に、しまなみ海道に展開する中世の海城(水軍城)をとりあげて開催しましたので、今回が2回目となります。
  このシンポジウムは、研究成果を広く地域の人々に公開し、地域の人々とその地の歴史や特性を共有し、さらに地域文化興隆に資す目的で開催しています。テーマにおいても、研究室が主体的に関わった発掘調査の中から、諸地域にとって有意性が高く、先端的なものをピックアップして決定しています。今回は、昨年今治市佐夜ノ谷II遺跡で発掘された古代製鉄炉の調査結果を公開し、その意味を考えようと開いたシンポジウムで、今治市教育委員会との共同事業となりました。
  シンポジウム開催当日は、台風13号の影響を受け、低くたれ込めた暗雲からは、今にも雨、風が吹いてきそうな悪条件下での開催となりましたが、今治市公会堂には、約500人の一般市民や関係者の方々が集まり、活気にあふれていました。
  会場の舞台前には、佐夜ノ谷II遺跡で発掘された古代製鉄炉の跡を特殊シリコンで作成したレプリカを設置し、古代の雰囲気が漂うホールで、はじめに主催者として、越智忍今治市長と下條信行法文学部教授が挨拶しました。
  引き続き、今治市教育委員会の櫛部大作さんが「高橋佐夜ノ谷II遺跡の発掘調査成果報告」を行った後、村上恭通法文学部教授が、「日本古代の製鉄炉と国家政策」と題して講演しました。
  午後から、国選定保存技術保持者(財)日本美術刀剣保存協会たたら村下の木原明さんが、「古代の鉄作りのいぶき」と題して講演を行い、引き続き、下條教授をコーディネーターとして「パネルディスカッション」を行い、佐夜ノ谷II遺跡における古代製鉄の背景など歴史の謎について、熱いトークを交わしました。
  また、翌17日(日)午前3時から、今治サンハイツカントリークラブ跡地において「高橋佐夜ノ谷II遺跡製鉄炉復元及び製鉄実験」を行いました。炉を築くためには、まず地面を掘って、内法と底に礫を貼り、木炭を叩き敷き詰めた上に粘土を貼ります。これらは、防湿を目的とした設計方法で、その上に粘土で作り送風管を通した製鉄炉を置きます。
 実験では、製鉄炉の中で木炭で火を起こし、十分熱した上で、砂鉄と木炭を交互に入れる作業と、「ふいご」を使い、炉に風を送る作業が12時間続きました。このハードな準備や実験に、本学をはじめ福島大学、立命館大学、東京大学の学生達も参加・協力してくれました。
  午後4時過ぎに炉を壊すと、中から約100キロの鉄の塊が出てきました。
  実験は、鉄の量も想定どおりで大成功、今後も研究を続け、データを積み重ねて行きます。

広報室