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投稿日:2018.08.17
免疫機能を保つための新しいメカニズムを発見~効果的な感染防御ワクチンやがん免疫細胞療法の開発に期待~

 愛媛大学大学院医学系研究科の山下政克(やました まさかつ)教授らの研究グループは、メニン(Menin)(注1)というタンパク質が、T細胞(注2)の疲弊や老化を防止し、免疫機能を正常に保つメカニズム(背後にある分子機構)を世界で初めて解明しました。
 これまでに同研究グループは、MeninがT細胞の疲弊や老化を防ぐ働きを持っていることは見つけていましたが、そのメカニズムについては解明されていませんでした。今回の研究で、MeninがT細胞のエネルギーの消費(代謝)を適切に管理することで疲弊や老化が起こらないようにし、免疫機能の低下を防いでいることが分かりました。
 今後、今回の研究成果を利用することで、効果的な感染防御ワクチンや新しいがん免疫細胞療法(注3)の開発、加齢に伴う免疫機能の低下予防法の確立へとつながることが期待されます。
本研究成果は、英国科学誌「Nature Communications」に掲載され、オンライン版で公開されます(平成30年8月17日(日本時間))。

掲載誌

Nature Communications  DOI: 10.1038/NCOMMSXXXX

論文目録

The tumor suppressor menin prevents effector CD8 T cell dysfunction by targeting mTORC1-dependent metabolic activation
(和文)腫瘍抑制因子メニンは、代謝を調節することで細胞障害性T細胞(注4)の機能低下を防いでいる

主な共同研究者

《愛媛大学大学院医学系研究科》
教授 山下 政克
助教 鈴木 淳平
准教授 山田 武司(現 愛媛県立医療技術大学 教授)
教授 松田 正司
《愛媛大学プロテオサイエンスセンター》
特命教授 安川 正貴
教授 今井 祐記
助教 井上 和樹(現 Hospital for Special Surgery, NY, USA)
《愛媛大学学術支援センター》
講師 武森 信暁

(注1) 腫瘍抑制因子の1つ。その遺伝子変異は、多発性内分泌腫瘍症I型(MEN1)の原因となる。
(注2) 白血球のうちリンパ球と呼ばれる細胞の一種。体を異物から守る免疫応答において中心的な役割を担う。
(注3) 免疫細胞を人工的に増やし、その働きを強化することでがん細胞を抑え込む治療法。
(注4) 以前に遭遇した異物の特徴を記憶していて、同じ異物と遭遇すると迅速に反応するT細胞。ワクチン接種は、この記憶T細胞の能力を利用している。

プレスリリース資料はこちら(PDFファイル 758KB)