この授業は、英語授業実践や卒業研究を行うための専門的な知識と技能を習得し、オリジナリティがあり質の高い英語教育研究を構想するための基本的な知識を身に付けることを目的としています。
小・中・高の英語授業の実践例と関連する理論的背景を学び、英語科教員に必要とされる基礎的・応用的な知識と技能や教員採用試験に対応できる専門的知識と技能を身に付けることができます。

授業内容

令和6年7月某日、大雨の中、教育学部2号館4階に向かいました。教室には、4人ほどが囲めるテーブルが4つあり、どのように座るのかと考えながら、皆さんが来るのを待ちました。大雨で濡れたTシャツやズボンを拭きながら、次々と6人の受講生が集まり、それぞれが自由に着席して、授業が始まりました。
授業は、全て英語で行われました。最初に、週末に何をしたか?をテーマに、教員と受講生が英語でのコミュニケーションを楽しんでいました。また、フィリピンからの留学生に対し、「nightを漢字で書くと?」と問いかけ、彼がうまく「夜」と書けた際には皆で拍手するなど、とても和やかな雰囲気で授業が進みました。
使用するテキストも全て英語で書かれており、この日のテーマは「Reading」でした。毎回担当となる受講生が事前にテキストを読み込み、ポイントをまとめた資料を作成し、授業でプレゼンを行います。この日は、留学生を含む2人が担当でした。プレゼンの途中での質疑応答もあり、流ちょうな英語が飛び交っていました。英語で書かれたテキストを読む、英語で要約した資料を作成する、英語で発表する、英語で質疑応答する。これらを通して、皆さんの英語力がどんどん上達していくのだと実感しました。また、テキストには、「Reading」を教えるにあたっての課題やポイントが実例を交えて述べられており、皆さんがこれをどのように要約しプレゼンするのか、私自身とても興味深く聞くことができました。リラックスした雰囲気の中で英語でのコミュニケーションが行われる、しかし、議題となっているのは英語教育のあり方というとても重要な事柄である、そのギャップがこの授業の醍醐味のひとつではないかと感じました。


2人のプレゼンのあと、全員で「20 Questions」というゲームをしました。テーマは「人・場所・もの」の3パターン。例えば、「東京」の場合、カードに「東京」を示す20の質問が書かれており、出題者が質問を読み上げます。答えがわかった時点で、手を挙げて解答します。もちろん、出題も解答もすべて英語です。本来は、すごろくのようなゲームで、何問目で解答できたかによって進むコマ数が決まり、早いゴールを目指すのですが、この日は全員が順に出題者となり、カードに書かれた質問を読み上げ、より早く解答することを競いました。皆さん、とても楽しそうに取り組んでいました。
授業のあと、集合写真を撮らせていただきました。皆さんの笑顔がこの授業の雰囲気を物語っています。英語教師を目指す方々に、是非受けていただきたい授業です。

教員からのコメント

本授業では、小・中・高の英語授業の実践例と、関連するアクティブ・ラーニングや英語4技能の指導に関する研究の理論的背景を学びます。これにより、英語科教員に必要とされる基礎的・応用的な知識と技能を身に付けることを目指しています。履修者のほとんどが教員採用試験の受験を予定しており、本授業を通して英語の読解力とコミュニケーション能力を向上させることで、試験にも対応できる力を養います。

具体的には、次の4点に焦点を当てた学習を行います。

1.英語教育研究と実践に関する論文を読み、効果的に要約する能力を養います。
2.論文要約の発表と質疑応答を通して、英語プレゼンテーション能力を向上させます。
3.英語教育研究の意義と課題について理解を深めます。
4.英語教師として成長するための知識と方法を学びます。

使用する教科書は日本語と英語の専門書2冊であり、全15回の授業では日本語と英語の各1章分を交互に扱います。英語の文献を扱う回では、プレゼンや質疑応答、ディスカッションなどを英語で行います。同様に、日本語の文献を扱う回では、基本的に日本語で授業が進められます。2024年度はフィリピンからの留学生が授業に参加しているため、教科書のトピックに対応するフィリピンの英語教育事情について紹介してもらうなど、学生同士の理解を深める工夫をしています。

さらに、教科書での学習が予定より早く終わった場合には、「Building Empathy」や「20 Questions」などの英語のボードゲームに取り組むことがあります。学生たちはゲームを通して共感力を高め、英語でのコミュニケーションを楽しんでいます。

この授業では、楽しみながら英語力を高め、将来の英語教師としての成長をサポートします。みなさんもぜひ、英語教育の魅力を一緒に探求しましょう!

学生からのコメント

教育学部 学校教育教員養成課程 4年生 重松 花奈 さん

英語教育実践研究では、英語教育に関する研究や英語授業実践についての論文、本を読み、日本語や英語でプレゼンテーションやディスカッションを行います。受講生の中にはフィリピンからの留学生であるジョーイさんもいて、皆で英語教育について楽しく学んでいます。授業では、活動を通して、論文や本を読んで情報を要約する力や、日本語だけでなく英語でプレゼンテーションをする力などが身に付きます。さらに、様々な英語授業の実践例を知ることができ、活動のアイデアや「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能の指導法、授業づくりで大切なことなど、実際に英語の指導をする際に生きるような実践的な知識を身に付けることができます。英語教育について深く学ぶことができ、面白い授業です。

留学生 Jose L. Madarang III さん

My name is Jose L. Madarang III, but people call me Joey, and I’m an exchange student from the Philippines. This class is called 英語教育実践研究 or in English, English Education Practice Research, held by TATEMATSU Daisuke-sensei. The course focuses on giving students specialized knowledge and skills for English teaching and academic research. We also learn practical language teaching in elementary, middle, and high schools through examples and related theories, all for the goal of acquiring skills to become English language teachers. Throughout the semester, we tackle different facets of English language learning and education (e.g. reading, writing, speaking, etc.), and theories related to them. Every week, us students are given a topic in advance to research and give a presentation on. On this particular day, July 1st, I, along with my partner Kiko-san, gave a presentation on Research on Reading Instruction, focusing on David Nunan’s (2015) book on Teaching English to speakers of other languages: an introduction. I thoroughly enjoy this class every week because not only is the content interesting and exciting, but the people I’m always with, my classmates, and of course, Tatematsu-sensei, are all very fun to be with. I always learn something new every week when I’m with them, which is something I will never forget even after I return to the Philippines.