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重要なお知らせ

未来の愛大生へ

2021.02.18
英語で鍛えるコミュニケーションの力

三浦 優生 准教授

●教育・学生支援機構
●心理言語学、発達心理学

 私は愛媛大学で、全ての学部を対象とした必修の英語科目を担当しています。毎年、授業初日の教室に足を踏み入れ、英語で挨拶をするときには、緊張に満ちた皆さんの面持ちから様々な思いが見てとれます。

 英語が得意な人は、留学や海外旅行に挑戦しようと、期待に胸を膨らませていることでしょう。一方、英語が苦手な人にとっては、高校を卒業しやっと解放されると思ったのに、まだ英語があるのか!と落胆しているかもしれません。いずれの場合も、愛媛大学で学ぶ英語の授業は、高校までのそれとは異なるスキルを学べるということをお伝えしたいと思います。

 愛媛大学の必修英語は4科目ありますが、一貫して「積極的にコミュニケーションを図る態度と能力を身につけること」を目標としています。授業ではペアやグループでの活動が頻繁に設けられており、文法や発音の間違いを恐れずに、会話を維持することが求められます。

 また、単に物事を描写するだけでなく、自身の気持ちや考えを述べなくてはなりません。日本語では「なんとなく」で済んでいた部分も、言葉で明確に表すことが必要となります。これによって、英語の学習のみならず、考える・伝えるトレーニングになったという感想も聞かれます。

 さらには、一方的に考えを述べるだけでなく、相手の話や意見を受け止め、反応するスキルも重要です。単なるリスニングではなく、傾聴力としての「聞く力」が鍛えられるのは、実践的なコミュニケーション力を目標に据えた授業ならではと思います。

 このように、英語を通して、他者を理解し、自己を表現する術を学ぶことは、海外旅行や留学といった目的はもちろん、専門学習や就職活動など、広く皆さんの成長につながる基礎力となるはずです。また、新型肺炎による混乱が落ち着けば再び、外国から沢山の人が日本を訪れることになるでしょう。積極的にコミュニケーションを図る姿勢やスキルは、社会の中で役に立ち、誰かを助ける力にもなるのではないでしょうか。

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