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重要なお知らせ

未来の愛大生へ

2023.12.28
大学から農業技術を作る!

畠山 友翔 助教

●農学研究科
●作物学

農業現場では、収量の増加、品質の向上、安定化、今年問題となった高温対策など、解決すべき問題がまだまだ沢山あります。今後、これらの問題を解決するために精力的な研究が必要です。

私たちの研究室(作物学研究室)では、オオムギの亜種である「ハダカムギ」の品質低下の問題を解決しようと研究を行っています。ハダカムギという言葉を初めて聞いた方も多いと思いますが、ハダカムギは愛媛県での生産量が30年以上日本一と、県の主要農産物であり、瀬戸内地方の麦味噌文化を育んできた大変重要な作物です。近年は、ハダカムギに多く含まれる機能性食物繊維(β-グルカン)が注目されていることから、生産量の増加と利用拡大が期待されています。このハダカムギは、白く粉のような粒の内部が透明で硝子のように固くなる「硝子化」によって品質が低下し、問題となります。特に2022年の品質は悪く、農家によっては200万円ほどの影響を受けたそうです。この問題は国内で広く研究されてきましたが、硝子化の要因やそれを安定して防ぐ技術はありません。

私たちは、顕微鏡による細胞レベルでの解析や長年のハダカムギ栽培の経験から、この硝子化を防ぐヒントを見つけ、栽培技術とするため日々研究に打ち込んでいます。この研究には、広い畑での栽培や、普遍的な事象を捉えるため、数多くの植物サンプルを調査する必要があります。これには、研究室の学生みんなの協力が不可欠です。もちろん植物はこちらに合わせてはくれませんし、大変なことも多々あります。しかし、みんなでワイワイと協力して行う調査は、私たちに大切なことを教えてくれます。今後大学でみんなと行った研究が、農業技術として広まり、ハダカムギ農家を助ける日がくるかもしれません。

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