今からちょうど半世紀前、皆さんと同年代の頃、私は受験勉強も程々に天文にハマっていました。私の天文熱は小学校高学年頃から始まり、高校時代、大学進学についてもその方面を考えましたが、星ばかり観ていてろくに受験勉強もしていなかったため、志望する分野への進学は叶いませんでした。しかしながら、地球も数ある天体の一つだと気づき、地球科学分野の学科に進学しました。大学院では、地球の最上部マントルからその上位に位置する地殻物質の進化プロセスの解明について同位体地球化学的手法を用いて研究を行ってきました。愛媛大学に着任後も大学院時代の研究を継続し、ニュージーランドやオーストラリア、パキスタンなど、世界各地のオフィオライト(最上部マントルから地殻を構成する岩体)の調査を行い、研究に取り組んできました。興味関心を持って取り組める研究は、自分に与えられた天職で、まさに大学教員の特権だと信じ、楽しく研究生活を過ごしてきました。
21世紀に入り、国立大学を取り巻く状況は一変しました。「国立大学の法人化」です。2004年に始まった国立大学の法人化は、大学教員の立場、教育研究環境を激変させました。国による運営費交付金の削減と大学運営効率化推進の方向性は、研究費・教員定員の削減や組織のあり方の見直しなど、教育研究を主目的とするはずの高等教育機関の本来の姿とは明らかに異なったベクトルへの方針転換でした。その後も「遠山プラン」「ミッションの再定義」への対応など、国立大学の組織改変は一層厳しさを増していきました。特に、私の所属する教育学部は、少子化の影響を真っ先に受けやすい学部のため、組織改変が度々繰り返され、結果として、学部の規模が著しく縮小され現在に至っています。
このように国立大学を取り巻く状況は非常に厳しいのですが、愛媛大学は、そういった逆境の中でも大学の独自性をしっかりと前面に打ち出し、全国的にも手厚い学生支援を行っている大学として高く評価されています。また教育学部・教育学研究科では、教職大学院を中核に、全国的にも特色のある、実践的な指導力と専門性を身につけた教員の育成に力を入れています。
私は今年度いっぱいで定年退職、愛媛大学を去る身ですが、本学に多くの皆さんが進学し、アカデミズムに満ちた、充実した学生生活を送れることを願っています。
今からちょうど半世紀前、皆さんと同年代の頃、私は受験勉強も程々に天文にハマっていました。私の天文熱は小学校高学年頃から始まり、高校時代、大学進学についてもその方面を考えましたが、星ばかり観ていてろくに受験勉強もしていなかったため、志望する分野への進学は叶いませんでした。しかしながら、地球も数ある天体の一つだと気づき、地球科学分野の学科に進学しました。大学院では、地球の最上部マントルからその上位に位置する地殻物質の進化プロセスの解明について同位体地球化学的手法を用いて研究を行ってきました。愛媛大学に着任後も大学院時代の研究を継続し、ニュージーランドやオーストラリア、パキスタンなど、世界各地のオフィオライト(最上部マントルから地殻を構成する岩体)の調査を行い、研究に取り組んできました。興味関心を持って取り組める研究は、自分に与えられた天職で、まさに大学教員の特権だと信じ、楽しく研究生活を過ごしてきました。
21世紀に入り、国立大学を取り巻く状況は一変しました。「国立大学の法人化」です。2004年に始まった国立大学の法人化は、大学教員の立場、教育研究環境を激変させました。国による運営費交付金の削減と大学運営効率化推進の方向性は、研究費・教員定員の削減や組織のあり方の見直しなど、教育研究を主目的とするはずの高等教育機関の本来の姿とは明らかに異なったベクトルへの方針転換でした。その後も「遠山プラン」「ミッションの再定義」への対応など、国立大学の組織改変は一層厳しさを増していきました。特に、私の所属する教育学部は、少子化の影響を真っ先に受けやすい学部のため、組織改変が度々繰り返され、結果として、学部の規模が著しく縮小され現在に至っています。
このように国立大学を取り巻く状況は非常に厳しいのですが、愛媛大学は、そういった逆境の中でも大学の独自性をしっかりと前面に打ち出し、全国的にも手厚い学生支援を行っている大学として高く評価されています。また教育学部・教育学研究科では、教職大学院を中核に、全国的にも特色のある、実践的な指導力と専門性を身につけた教員の育成に力を入れています。
私は今年度いっぱいで定年退職、愛媛大学を去る身ですが、本学に多くの皆さんが進学し、アカデミズムに満ちた、充実した学生生活を送れることを願っています。