未来の愛大生へ

2024.11.27
X線観測でブラックホールの謎にせまる

志達 めぐみ 准教授

●大学院理工学研究科/宇宙進化研究センター
●天文学

皆さんは、「ブラックホール」ときいて、どういうものを想像しますか?まわりのものを何もかも飲み込んでしまう恐ろしいモンスターでしょうか。実は、ブラックホールは吸い込むだけでなく、非常に速いスピードでものを噴き出すことがあります。また、ブラックホールから噴き出し、周囲にまきちらされた物質やエネルギーが、周囲の星や銀河の形成や進化にも影響を与えており、宇宙が今ある姿になるために大きな役割を果たしてきたかもしれないと考えられています。ところが、そもそもブラックホールはどのようなしくみでものを外向きに加速し、具体的にどれだけの影響を実際に周囲に与えてきたのかは未だに謎のままです。

ブラックホールに落ちてゆく物質は1000万度を超える温度になり、強いX線(エックスせん)を放ちます。このX線を詳しく観測することで、ブラックホールが引き起こす活動にせまることができます。2023年9月に、X線天文衛星XRISM(クリズム)が種子島宇宙センターから打ち上げられました。XRISMには新技術の観測装置が搭載されており、ブラックホールからの噴出現象の理解を飛躍的に進ませると期待されています。愛媛大学では私を含めた3人の教員がXRISMプロジェクトチームに参加し、その世界最先端の装置を使ってブラックホールの研究に取り組んでいます。皆さんも一緒にブラックホールの未知の謎に挑んでみませんか?

MORE MESSAGE