「がん免疫療法」という言葉をご存知でしょうか？これは、私たちの体に備わっている免疫という防御システムを活用して、がんを治療する方法です。例えば、「キメラ抗原受容体T細胞（CAR-T細胞）療法」では、患者さん自身のT細胞（免疫細胞）を特殊な技術で強化し、がん細胞をピンポイントに、とても強力に攻撃できます。また、「二重特異性抗体療法」では、体内のT細胞をがん細胞の居場所まで直接導き、がん細胞に対する攻撃力を高めることが可能です。これらの治療法は、従来の治療が効かなかったがんをより効果的に治療、そして治癒させる可能性を秘めています。私たちの研究室では、現在のがん免疫療法をさらに改良することや、新しいがん免疫療法の治療薬の開発に取り組んでいます。また、基礎研究で得られた知見を臨床の現場に応用し、実際の治療に役立てるための研究も行っています。

高校生のみなさん、医療の世界は日々進歩しています。そして、未来の医療を形作るのは、それらに取り組む人たちの夢と情熱であると思います。がん免疫療法も、その一例です。研究内容の文を読んで、難しそうだなぁと感じたかもしれません。でも、大切なのは、少しでも興味を持ったことを追いかけてみることです。小さな好奇心が、新しい挑戦のスタートラインになると思います。愛媛大学では、そんな挑戦をサポートする環境が整っています。ぜひ私たちと一緒に、未来の医療を創り上げていきましょう。皆さんと共に学び合える日を心から楽しみにしています！