高校生の頃の私は、将来をはっきり描けていたわけではありません。成績が特別良かったわけでもなく、休日の多くは部活動に費やしていました。大学選びも、最初から強い目的があったというより、「生物を学べる場所に進みたい」という、ぼんやりした興味から始まったように思います。
けれど、今になって思うのは、進路の理由は最初から立派でなくてもよい、ということです。私は小さい頃から生き物が好きで、環境問題にも興味があり、中学生の頃には古いラップトップでプログラミングを試しました。高校生の頃にはiPS細胞や生命科学に関する本を読んで、まだ見たことのない研究の世界に憧れました。ただ、そのどれも当時は、自分の人生とつながっているとは思えませんでした。
私は、愛媛大学で学部、修士、博士の時間を過ごし、外部の研究機関での経験を経て、また愛媛大学に特任助教として戻ってきました。現在は、環境汚染物質が生物に与える毒性影響を研究しています。無卵殻ニワトリ胚という少し変わった実験系で、化学物質が胚発生や組織の発達にどのような変化を起こすのかを観察しています。また、ヒトiPS細胞由来の分化細胞を用いた毒性試験に加え、Linux、R、Pythonなどの情報解析ツールを活用し、RNA-seqやメタゲノム解析などのバイオインフォマティクスにも取り組んでいます。振り返ると、子どもの頃に気になっていたものが、形を変えて研究の中に集まっていました。
大学は、「やりたいことが明確な人」だけの場所ではありません。むしろ、まだ名前のついていない興味や、一度しまい込んだ好奇心が、後になって静かに動き出す場所でもあります。未来は、まっすぐ見つかるものではなく、あとから「あれもつながっていたのか」と気づくものかもしれません。
愛媛大学で過ごす時間が、皆さんにとって、そのような発見の余白を持つ時間になればと思います。
高校生の頃の私は、将来をはっきり描けていたわけではありません。成績が特別良かったわけでもなく、休日の多くは部活動に費やしていました。大学選びも、最初から強い目的があったというより、「生物を学べる場所に進みたい」という、ぼんやりした興味から始まったように思います。
けれど、今になって思うのは、進路の理由は最初から立派でなくてもよい、ということです。私は小さい頃から生き物が好きで、環境問題にも興味があり、中学生の頃には古いラップトップでプログラミングを試しました。高校生の頃にはiPS細胞や生命科学に関する本を読んで、まだ見たことのない研究の世界に憧れました。ただ、そのどれも当時は、自分の人生とつながっているとは思えませんでした。
私は、愛媛大学で学部、修士、博士の時間を過ごし、外部の研究機関での経験を経て、また愛媛大学に特任助教として戻ってきました。現在は、環境汚染物質が生物に与える毒性影響を研究しています。無卵殻ニワトリ胚という少し変わった実験系で、化学物質が胚発生や組織の発達にどのような変化を起こすのかを観察しています。また、ヒトiPS細胞由来の分化細胞を用いた毒性試験に加え、Linux、R、Pythonなどの情報解析ツールを活用し、RNA-seqやメタゲノム解析などのバイオインフォマティクスにも取り組んでいます。振り返ると、子どもの頃に気になっていたものが、形を変えて研究の中に集まっていました。
大学は、「やりたいことが明確な人」だけの場所ではありません。むしろ、まだ名前のついていない興味や、一度しまい込んだ好奇心が、後になって静かに動き出す場所でもあります。未来は、まっすぐ見つかるものではなく、あとから「あれもつながっていたのか」と気づくものかもしれません。
愛媛大学で過ごす時間が、皆さんにとって、そのような発見の余白を持つ時間になればと思います。