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未来の愛大生へ

2023.08.01
統計学とウソ

佐藤 智秋 教授

●法文学部
●統計学、経済統計学

1.エビデンス 皆さんはエビデンス(Evidence)という言葉を聞いたことはありますか。証拠とか根拠といった意味があります。エビデンスにもとづいて物事を判断する思考スタイルは、日本社会でも定着してきた感があります。エビデンスには、主に、数字、データ、統計が使われます。特に統計が多用されますが、統計学自体、エビデンスにもとづいて物事を判断する手法を研究し発展してきた学問といえます。

2.ウソ ところで、統計には厄介な側面があります。もう半世紀以上前ですが、アメリカのダレル・ハフという統計学者が『統計でウソをつく法』という本を出版しました。また、「世の中には3種類のうそがある。うそ、ひどいうそ、そして統計」という言い回しも、多くの著名人によって繰り返し使われてきました。

3.デタラメ 第二次世界大戦の後、当時内閣総理大臣を務めた吉田茂は、占領軍の最高司令官マッカーサーとのやり取りの中で、日本の統計のデタラメを責められました。それに対し、吉田が「わが国の統計が完備していたならば、あんな無謀な戦争はやらなかったろうし、またやれば戦争に勝っていたかもしれない」と言い返したことは知られています。

4.統計リテラシー 21世紀になっても、統計は、ウソ、デタラメに埋もれています。ようやく見つけたとしてもその統計は肝心なところを捉えていないなんてことはよくあります。エビデンスにもとづいて物事を判断するのも容易ではありません。こんな統計を使いこなすためのリテラシーを愛媛大学で身につけてみませんか。

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