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重要なお知らせ

未来の愛大生へ

2022.07.08
最先端の治療薬研究を愛媛大学で

山中 聡士 特定助教

●プロテオサイエンスセンター
●生化学、分子生物学、細胞生物学

プロテオサイエンスセンターでは、愛媛大学で開発されたコムギ無細胞タンパク質合成系などの独自技術を用いて、生命科学・医歯薬学分野の発展に貢献するための世界的にインパクトのある研究成果を発信しています。

私達の研究室では、タンパク質を分解誘導することで薬理作用および副作用を示す「タンパク質分解誘導剤」の研究を行っています。タンパク質分解誘導剤の代表例であるサリドマイドは、1950年代に開発された低分子薬剤であり、服用した妊婦から産まれた赤ちゃんの手足が短くなる強力な催奇性を誘発し、世界的な薬害を引き起こしました。そんなサリドマイドですが、現在でもサリドマイド様化合物は血液がんの治療薬として年間1兆円の規模で使用されている非常に有効な治療薬です。過去約10年の研究において、サリドマイド様化合物はタンパク質を分解誘導するという全く新しい作用メカニズムを有していることが明らかになりました。現在、タンパク質分解を誘導する新たな治療薬が世界中で精力的に研究・開発されています。タンパク質分解誘導剤は、これまでに治療薬開発が困難であった疾患に対する治療薬開発の可能性を秘めている次世代の治療薬として注目されています。

私は愛媛大学プロテオサイエンスセンターの有する様々な独自技術を駆使することで、半世紀以上の間謎に包まれていたサリドマイド催奇性の分子メカニズムの一部を明らかにしました。このように、愛媛大学には世界の名門大学に負けない様々な独自技術があり、それらの技術を適切に使うことで社会に広く貢献できる最先端の研究を行うことができます。愛媛大学を目指している皆さん、是非一緒に最先端の研究を行いましょう。

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