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「社会共創学部キックオフシンポジウム」を開催しました【10月16日(金)】

 平成27年10月16日(金)、愛媛大学シンポジウム「地域社会を共に創造する人材の育成」を開催し、自治体職員、高等学校関係者、企業経営者、教職員など約200人が参加しました。
 このシンポジウムは、平成28年4月設置予定の社会共創学部における地域一体型教育の在り方について議論をすることを目的として開催したものです。
 シンポジウムは、大橋裕一学長及び文部科学省高等教育局国立大学法人支援課の吉田光成企画官の挨拶で幕が開けました。第1部の基調講演Iとして、東京理科大学理工学部の伊藤香織教授から、「都市の未来を形づくる主役になる」と題して講演がありました。伊藤教授は、人々はまちづくりに様々な能力を有しており、得意な能力を活かし、自分たちが自分たちのまちを創る『まちを自分ごとにする』という意識を持つことが重要と説きました。そのためには、まちは簡単に変わり、自分なりにできることが案外あるという意識を持ち、実際に体験し人々が共有することにより、まちと自分との関係を築くことが必要と説明しました。その後、ロンドンでのオープンハウスやコンパクトシティを目指す富山市の取組みなど、様々な実践事例を紹介しました。その上で「まちづくりに取り組む個々人が尊重と自治に基づくコミュニティを目指す意欲を持ち続けるためにも、集団行動と個人の自発性の原動力となる「Civic Pride」を持つことがまちづくりには肝要」と締めくくりました。

 基調講演IIとして、特定非営利活動法人日本サーバント・リーダーシップ協会の眞田茂人理事長から「地域社会再生に求められるサーバントリーダーシップ」と題して講演がありました。眞田理事長は、自己の理想を押し付け、欲求を充足させる場合、人間関係は崩壊しがちであり、「自己」ではなく「私たち」の理想を追求するために、「利他」の精神で奉仕するサーバントリーダーシップが重要であると説明しました。その後、企業・組織におけるリーダーシップの成功事例を紹介し、サーバントリーダーシップの理想形態として、地域社会・組織で今何が起こっているか、とるべき戦略は何かを把握し、自己に落とし込んだ上で、関係者間で共有する「コミュニティ・オーガナイジング」を説明しました。最後に、「リーダーシップ発揮のためには、自己が何者であるのかという問題が常につきまとう。自己変革が重要である。」と締めくくりました。  第2部では、愛媛県企画振興部地域振興局の山下一行局長から「愛媛県諸地域の現状と課題」と題して講演があり、愛媛県諸地域の人口動態、産業との現状と課題について、県の施策と関連付けながら説明がありました。
 次に、愛媛県中小企業家同友会の鎌田哲雄専務理事から「これからの地域・社会・世の中を担う人間育成とは」と題して講演があり、中小企業が求める人材とは「人の頭で考える」「言うべきことが言える」「課題に正面から取り組める」人であり、そのような人間を育てる覚悟が大学・中小企業双方に求められるとの説明がありました。
 また、本学社会共創学部設置準備室の西村勝志室長から「社会共創学部が育成する人材と教育」と題して講演があり、社会共創学部が育成する人材像と文理融合の多彩な教育の展開・実践的プログラムによる地域課題解決へのアプローチについて、説明がありました。
 総合討論では、社会共創学部設置準備室の榊原正幸教授がコーディネーターとなり、「地域社会が求める人材像」「教員の役割」「ステークホルダーと大学との協働体制のあり方」をキーワードに、社会共創学部教育の充実に向けた示唆に富んだ議論が展開されました。

 最後に、参加した各講師から、「基礎体力をしっかり付けた上で、自由な発想の学生を育てようとしていることが良い。(伊藤教授)」「目先の利益を追求せず、利他の精神を持つ学部教育に期待する。(眞田理事長)」「供給先の愛媛県として地域志向人材育成に期待する。(山下局長)」、「自己の理想を追求し、戦力でなく磨けば光る人材の育成をして欲しい。(鎌田専務理事)」といった社会共創学部への期待の言葉があり、シンポジウムは盛況のうちに幕を閉じました。