お知らせ

世界で初めて妊娠中の牛乳摂取が産後うつ症状に予防効果があることを示唆する研究成果を発表しました

 本学医学系研究科疫学・予防医学の三宅吉博教授、統合医科学の田中景子助教及び疫学・予防医学の古川慎哉准教授を中心とする共同研究チーム(国立保健医療科学院、東京大学、琉球大学)が、世界で初めて、妊娠中の牛乳摂取が産後うつ症状に予防効果があることを示唆する研究成果を発表し、平成28年6月3日発行の学術誌「Nutrition Research」に掲載されました。
 乳製品の摂取と産後うつ症状との関連について調べた疫学研究は、これまでに日本人を対象とした研究が1つあるのみで、その研究では有意な関連は認められませんでした。今回、妊娠中から母親と生まれた子供を追跡調査した「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用し、栄養情報と産後うつとの関連を調べた結果、牛乳の摂取により、産後うつ症状のリスクが有意に低下することがわかりました。
 今後、牛乳の摂取と産後うつ症状のリスク低下の関連を確実にするために、更なる研究データの蓄積が必要となりますが、産後女性の10~15%が産後うつ病にかかるといわれている現代において、非常に関心の高い研究成果であるといえます。

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学術誌「Nutrition Research」掲載箇所