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農学部寄附講座の成果報告会を開催

  平成19年4月19日(木)農学部会議室において、農学部の寄附講座、環境分析化学(京都電子)講座の成果報告会を開催しました。
  環境分析化学(京都電子)講座は、近年世界的に大きな問題となっている化学汚染物質の計測技術・計測機器の研究開発及び教育をすることを目的として、京都電子工業株式会社が平成16年11月1日、農学部に開設しました。今回の成果報告会は、平成19年3月31日までの2年5ヶ月にわたる講座・研究期間が終了したことに伴い開催したものです。
  当日は、農学部の教職員や学生など100人を超える参加者が詰め掛け満員となった会場で、同講座の澤田石一之客員教授が、「環境分析分野への挑戦−ダイオキシン簡易分析システムの開発−」と題して報告を行いました。

以下、報告内容
  医学・臨床分野で確立した技術として利用されている生物検定法(免疫化学測定法に代表される生物の機能を利用した迅速分析法)は、従来の機器分析法と比較して迅速・簡便・安価を利点とすることから、環境分析に対しても早くから普及が試みられてきたが、安易に臨床検査用の測定技術を応用しようとしたために好ましい分析結果が得られず、生物検定法はその精度や信頼性の点について低い評価を受け普及するに至っていない。高度な分析機器の利用により高水準な技術レベルにある環境分析分野に生物検定法を普及するためには、過去の反省を踏まえ、生物検定法の特徴である迅速・簡便・安価を実現し、得られる分析値の信頼性を保障することが鍵である。愛媛大学農学部のダイオキシン・PCB分析分野における業績、我々が開発してきた分子認識素子とバイオセンサ、この両者を融合し最適化を図ることにより、世界初のダイオキシン簡易分析システム(自動前処理装置とバイオセンサ)の開発に成功し、環境分析分野に新しい分析の流れを切り開いた。この分析システムの開発思想と様々な要素技術は、今後の生物検定法の普及に貢献していくと考える。

広報室