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地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の土屋卓久教授らの論文がアメリカ鉱物学会誌の注目論文に選出されました【12月21日(金)】

平成24年12月21日(金)、東京工業大学の河合研志特任助教とGRC土屋卓久教授が発表した研究論文が、アメリカ鉱物学会が発行する伝統ある国際的専門誌“American Mineralogist”(2013年1月号)に、“Notable Article”(注目論文)として選出されました。

 日本などの島弧の下では、プレートの沈み込みに伴い、深さ660km付近まで地震が起こることが知られています。プレートの沈み込みとともに、海洋底の堆積物や大陸地殻の一部も地球のマントル深くにもたらされます。カルシウム(K)に富んだ「K-ホーランダイト」は、このような堆積物や大陸地殻を構成する重要な鉱物で、そのマントル深部での結晶構造変化(相転移)や、密度・ 弾性波(地震波)速度を明らかにすることは、マントルの構造やプレートの運動、また地球内部の熱史を知る上でも重要です。
 
 今回の土屋教授らの第一原理計算を用いた理論的研究により、
(1)Kホーランダイトからその高圧相であるKホーランダイトIIへの相転移が、密度の不連続的変化は伴わない「二次の相転移」であること
(2)この相転移により、深さ660km付近で、強い弾性波速度の異常をもたらすこと
(3)KホーランダイトIIは、130万気圧以上の下部マントルを超える領域まで安定であること
などが明らかにされました。
 この結果は、マントル深部でのプレートの運動や、カリウムなどのイオン半径の大きな元素(不適合元素)の挙動に、重要な制約を与えるものとして、大きな注目を集めています。  
 
 ちなみに、KホーランダイトIIは、GRCの入舩徹男教授や八木健彦特命教授らにより実験的に発見され、2004年にアメリカ地球物理学連合の専門誌 “Geophysical Research Letters”に報告されています。

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Kホーランダイト(左)と、その高圧相であるKホーランダイトII(右)の結晶構造

 

地球深部ダイナミクス研究センター

<地球深部ダイナミクス研究センター>