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The Lancet Infectious Diseases誌の「Profile」にプロテオサイエンスセンターの高島英造教授が紹介されました【4月25日(土)】

4月25日の世界マラリアデーに合わせて、 The Lancet Infectious Diseases(2026年5月号)の人物紹介欄「Profile」に、先端研究院プロテオサイエンスセンターの高島英造教授が掲載されました。同誌は、2024年のインパクトファクターが31.0である感染症分野の最有力誌の一つです。

「Profile」は、感染症分野で国際的に大きな影響を与えてきた研究者の人物像や研究の歩みを紹介する記事です。「Profile」に掲載された日本人研究者はこれまで2名のみで、今回の高島教授の掲載は、米国エール大学の岩崎明子氏に続く2例目、日本を拠点とする研究者としては初めての例です。(当学に置いて確認できた限りを前提とする。)また、マラリア研究者として確認できる掲載も、米国ワシントン大学のSimon Hay氏、英国オックスフォード大学のArjen Dondorp氏、高島教授の3名に限られ、世界的にも極めて稀な掲載となります。

掲載記事では、高島教授が寄生虫学に関心を持つに至った経緯、東京大学大学院での研究、そして製薬企業および仏国パスツール研究所での研究経験を経て、マラリア研究に取り組むようになった歩みが紹介されています。特に、マラリア原虫タンパク質の発現が技術的に困難であるという課題に対し、本学プロテオサイエンスセンターで開発・活用されてきたコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系が、高島教授の研究展開に大きな役割を果たしたことが取り上げられています。

また同記事では、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系を用いることで、マラリア原虫がもつタンパク質のゲノムワイドな発現が可能となり、ワクチン候補抗原の探索に応用されてきたことが紹介されています。高島教授の研究グループは、赤血球侵入に関わる原虫タンパク質に着目し、逆ワクチン学の考え方に基づいて候補抗原の探索を進めてきました。その中で、PfRiprタンパク質を分割して解析し、抗体により原虫増殖を阻害し得る候補領域としてPfRipr5を見いだしたこと、およびPfRipr5を基盤とするワクチン候補は、既存の感染阻止ワクチンと組み合わせることで、マラリア原虫の肝細胞への感染と赤血球への侵入を2段階で阻止し、より高いワクチン効果が期待できることが述べられています。

他にも、高島教授が進めるAlphaScreen技術を用いたゲノムワイドな抗体プロファイリング研究についても紹介されています。本研究は、コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系で作製した大規模な組換えタンパク質ライブラリーと、ハイスループットなAlphaScreen免疫測定法を組み合わせることで、自然感染によって獲得した、マラリアに対する防御免疫の標的抗原の同定を可能にするものです。

さらに、クリプトスポリジウムをはじめとする他の寄生虫疾患への応用や、発現が困難な感染症関連タンパク質の研究におけるコムギ胚芽無細胞タンパク質合成系の可能性についても触れられています。

今回の掲載は、世界マラリアデーに合わせ、感染症分野の国際的主要誌において、高島教授の研究の歩みと、本学プロテオサイエンスセンターで進められてきたマラリアワクチン研究が紹介されたものです。コムギ胚芽無細胞タンパク質合成系を基盤とした本センターの独自技術が、マラリアをはじめとする感染症研究の発展に貢献し得る研究基盤として国際的に発信された点で、大変意義深い掲載となりました。

参考

THE LANCET Infectious Diseases サイト

高島英造教授(掲載記事より)

<プロテオサイエンスセンター>