愛媛大学先端研究院宇宙進化研究センターの松岡良樹准教授が所属する研究チームが、ユークリッド宇宙望遠鏡と地上の大口径望遠鏡群を用いた観測から、初期宇宙に存在する31個の超巨大ブラックホール(クエーサー)を発見しました。そのうちの2個は、これまでに知られている最も遠く、最も古いクエーサーの記録を更新しました。
クエーサーは、銀河の中心にある超巨大ブラックホールに物質が引き込まれることで、強烈な光を放つ天体です。その輝きは母銀河全体を大きく上回ることもあり、初期宇宙の観測において重要な目印となります。
このたび、2023年に打ち上げられた広視野と高感度を併せ持つ、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のユークリッド宇宙望遠鏡により、新たに多数のクエーサーが発見されました。この発見には、可視光波長での観測による候補天体の絞り込みと、候補天体に対するスペクトル測定の両面で、すばる望遠鏡をはじめとする地上の大口径望遠鏡も大きく貢献しています。
今回の成果ははじまりに過ぎず、ユークリッド宇宙望遠鏡による今後の探査で、初期宇宙に存在する数百ものクエーサーが新たに発見されると期待されています。その中には、今回更新された最遠・最古の記録をさらに塗り替えるクエーサーもあると考えられます。これらの研究により、銀河と超巨大ブラックホールがどのように誕生し進化してきたのか、その全体像の解明が大きく進むと期待されます。

詳細記事
国立天文台ハワイ観測所 ウェブサイト
National Astronomical Observatory of Japan Global Site
研究者のコメント
これまで愛媛大学が主導するチームでも、すばる望遠鏡を用いた初期宇宙の巨大ブラックホール探査で成果を挙げてきました。 しかし地上からの観測には限界があり、ユークリッドによる宇宙からの観測で、新たな地平が切り拓かれることを期待していました。 打ち上げからこれほど早くに最遠・最古のクエーサーを見つけられたことは驚きで、今後の発見にも大いに期待できます。
(愛媛大学先端研究院宇宙進化研究センター 准教授 松岡 良樹)
論文情報
掲載誌:Astronomy & Astrophysics
DOI:10.1051/0004-6361/202658883
題名:Euclid: Discovery of 31 new quasars at 6.6 < z <7.8
関連リンク
早稲田大学「宇宙最古の巨大ブラックホールを発見」【English】
すばる望遠鏡「ハワイの天文台がユークリッド衛星計画に彩をそえる」(2023年7月1日トピックス)
愛媛大学 宇宙進化研究センター
松岡 良樹
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