この授業は、岩石学の入門的講義であり、「岩石とは何か?どのようにして岩石は形成されるのか?」を理解するための基礎的内容を知識として修得することを目的としています。

授業内容

 この授業では、講義の内容をまとめたスライドを効果的に用いながら、穴埋め式の配布資料を完成させることで、受講生の学習効率を高めています。
 受講生たちは、これまでの授業で変成岩について学んでおり、今回の授業では、岩石の「薄片」(岩石を磨いてセロハンテープの厚さ程度まで薄くしていき、光が通るようにしたもの)を顕微鏡で観察し、岩石を構成する小さな鉱物の種類を調べることができることを学びました。さらに、教員が実際の顕微鏡像をスクリーンに映しながら岩石に含まれている鉱物の種類を示し、その岩石が経験したおおよその温度と深度(「変成相」)を読み取ることができると説明しました。

 

 続いて、変成岩の組織について学びました。変成岩の構造要素として「面構造」と「線構造」があります。教員は、面構造を分かりやすくケーキの断面の写真で例えながら、面構造の種類について紹介しました。また、変成岩の面構造には片理面や劈開面などがあり、片理面や劈開面に沿って岩石は割れやすいことを説明しました。  
 一方、線構造について、教員は教室に備え付けのチョークを使って例えながら、線構造と面構造の関係や線構造の種類などを紹介しました。
 最後に、受講生たちは、今回学んだ内容を振り返りシートにまとめます。「岩石学概論」を通して、岩石の種類や特徴、岩石の形成プロセスの基礎を学び、岩石学についての知識を深めていきます。

 

教員からのコメント

 「岩石学概論」という講義名を見たとき、みなさんまず何を思いましたか?「えっ?ガンセキガク?!そんな科目あるの??」と、そもそも「岩石学」という学問分野があることに驚く人も多いかもしれません。あの道端に転がっている地味で硬い「石ころ」について、何を学習するのでしょうか?
 あの硬くて頑丈そうな「石ころ」も、地球ができたときから変わらず存在していたわけではなくて、ある時期に、地球の活動によりできたものです。火山でみるような熱いマグマが冷え固まってできた「火成岩」、海底や湖底に溜まった砂や泥が固結してできた「堆積岩」、もともと地表付近にあった岩石がプレート運動により地球深部で加圧・加熱されてできた「変成岩」、などのように岩石にも色々な種類があり、つくられ方も様々です。ひとつひとつの「石ころ」にも歴史があって、その歴史を読み解いていく学問が岩石学です。
 そもそも地球の大部分は岩石でできています。現在の地球がどのようにしてできてきたのかを明らかにする上で、岩石の形成過程の理解は欠かせません。「岩石学概論」では、地球の様々な岩石を紹介し、特徴や形成過程の基礎について学びます。この講義を受講すると、今まで何気なく目にしていた「石ころ」や「石材」が、ちょっと違って見えてくるようになると思います!

 学生からのコメント

 私は、理学部の地球科学科に在籍しています。岩石に関してどんな組成なのか、どのような成因なのか、と興味を持っていました。しかし、高校時代は地学を履修していなかったため、地球科学科の授業についていけるか最初は不安でした。斎藤先生が担当する岩石学概論は、私にはぴったりな講義でした。一から岩石の基礎を学ぶことができます。授業は、レジュメが配られ、プロジェクターを使って講義が進んでいきます。映像や実物の岩石をもってきてくださったりするので、飽きずに、楽しく学ぶことができます。