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重要なお知らせ

未来の愛大生へ

2022.12.26
活躍する看護職 ─人々の健康な暮らしを支援する─

西嶋 真理子 教授

●大学院医学系研究科看護学専攻
●公衆衛生看護学

看護学科では、看護学の基礎を学び、卒業生の多くは看護師、保健師、養護教諭として巣立ち、また進学して助産師への道を歩む人もいます。皆さんは、このような看護職に、どんなイメージをもっていますか。

看護学科の教員の多くは看護職です。私もその一人で、保健所の保健師として、約6年間、結核や精神・母子・成人保健等に携わりました。例えば、結核の発生届を受けると、真っ先に患者さんのお宅を訪問して、療養生活の支援とともに、過去にさかのぼって感染経路を確認して感染拡大を予防し、家族等身近な方の健康管理も行います。2020年、世界的に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起こりました。日本の保健師は、長年の結核対策で培った積極的疫学調査により、発症前にさかのぼって感染源・クラスターを見つけ出して対応したり、日頃から連携を取っているネットワークを活用し、医療機関につなげていきました。その際、感染者の心情への配慮や偏見の予防も欠かせません。このような取組みは日本特有のもので、諸外国と比較して日本の圧倒的な死亡率の低さに貢献していると言われています。実際、人口当たりの保健師数が多い都道府県は、新型コロナウイルス感染症にかかる人の割合(罹患率)が低いことが分かっています。

このように、看護職は、目に見える病む人へのケアだけでなく、医療機関や行政・福祉機関、学校、企業等で、多職種チームの潤滑油として、緊急時の応急対応、対象者に寄り添う心のケア、療養者の退院後の暮らしを見据えた調整等、さまざまなシーンで活躍しています。現在の健康課題への対応はもちろんですが、潜在する課題や社会の変化とともに出現する未知の脅威も看護職である保健師の標的です。看護学科では、このような課題に対処できる地域を牽引するリーダーとなる看護職を輩出するための基礎教育を行っています。

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