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重要なお知らせ

未来の愛大生へ

2023.02.27
大学には「何か」がある

橘 哲也 教授

●農学部
●畜産学

高校生の時の私は、自分でいうのもなんですが、目標もなく無気力な学生でした。大学に進学したのも「同級生が進学するから」という理由だけで特に何も考えていませんでした。大学入学後のコース分属も特に何も考えていませんでした。今振り返ると、自主性がまったくない学生だったと思います。

そんな私でも、学部4年生になって研究室に入室し、卒業論文研究に取り組むことになりました。これまでの小学校、中学校、高校そして大学の授業では先生のお話を聞くという「受け身」の学習でした。しかし、研究室ではたとえ学部生の研究であっても、世界で未だ誰も取り組んでいないものが研究対象になります。未知の領域について調べていくことになるので、学生が「自主的に」取り組んでいかなければなりません。

これまで「受け身」で学習してきた私が「自主的に」研究を進めることができるはずもありません。案の定、卒業論文研究は大失敗に終わりました。卒業論文発表会では、失敗した内容を発表するという屈辱を味わいました。もちろんこのまま終わらせるわけにはいかず、大学院に進学することにしました。すると、大学院に進学してからわずか一か月で良い研究成果が得られたのです。一年間も失敗続きだった自分にはこれまでにない喜びでした。マイナーな研究分野とはいえ、世界初の発見ですので・・・。

この喜びをもっと味わいたいと思い博士課程に進学し、そして大学教員の職を得ることができました。前述のように、私は決して大学の教員になろうと思っていたわけではありません。

研究を進める過程で、未知の事象を自ら発見する喜びを知ることができました。これは私が一人で成し遂げたのではなく、研究室の先生方や先輩、同級生、そして後輩の皆様のご助力があってのことです。研究室ではお互いに助け合うということの大事さも学ぶことができました。 私は大学に進学してよかったと心から思っています。これから愛媛大学に進学される方、愛媛大学に入学されたばかりの方も、大学で得られるものがきっとあると思います。それが皆様にとって良いものであることを祈っています。

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