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「意外に静かだったペルセウス銀河団中心の高温ガス」大学院理工学研究科の粟木久光教授、寺島雄一教授らの研究チームがペルセウス座銀河団の中心部のガスの運動を初めて測定することに成功しました

 大学院理工学研究科粟木教授と寺島教授を含む「ひとみ」衛星国際研究チームは、波長分解能に優れた軟X線分光検出器(SXS)を用いてペルセウス座銀河団の観測を行い、中心部のガスの運動を初めて測定することに成功しました。
 ペルセウス座銀河団は、2.5億光年遠方にあり、暗黒物質が作り出す重力によってX線を放射する高温ガスを大量に捉えています。この銀河団の中心には巨大ブラックホールを持つ電波銀河(NGC1275)があり、そこから光の速さに近い高エネルギー粒子がジェット状に放出されています(以下、宇宙ジェット)。これまでの観測で、この宇宙ジェットが高温ガスにぶつかり、高温ガスを押しのけていることが知られていました。  
 今回得られた結果は、銀河団中心部に存在するガスの乱れた運動が意外に小さいというものでした。これは、宇宙ジェットが高温ガスに影響を及ぼしているにもかかわらず、銀河団中心部の高温ガスが意外に静かであることを示しています。この成果は、宇宙ジェットが周囲の銀河団ガスに与える影響を研究する上で貴重なものとなりました。
 本研究成果は、7月7日付英国科学誌「Nature」に掲載されました。また、詳細は次のURLを参照してください。

参考URL

JAXA : http://www.jaxa.jp/press/2016/07/20160707_hitomi_j.html
Nature :http://www.nature.com/nature/journal/v535/n7610/full/nature18627.html