愛媛大学大学院農学研究科生命機能学専攻2年生の兵頭慧真さんをはじめとする愛媛大学と松山大学、株式会社ウェルフォートの研究グループは、クラチャイダム(黒ショウガ)に含まれるテトラメトキシルテオリン(TML)が脳内の免疫細胞であるミクログリアの過剰な活性化を抑制し、中枢神経炎症性疾患の予防や症状の緩和に寄与する可能性があることを明らかにしました。
ミクログリアは免疫細胞として脳機能を監視する働きを持っています。しかし、ストレスなどによってミクログリアが過剰に活性化すると神経炎症を引き起こして、アルツハイマー病などの中枢神経炎症性疾患の原因になることが知られています。
TMLはクラチャイダムなどに含まれるフラボノイドの一種で、一般的なフラボノイドよりも脂溶性が高いため血液脳関門を通過しやすく、脳内に到達して細胞に直接作用する可能性が高いと考えられています。本研究で兵頭さんらは、TMLが炎症に関連する細胞内シグナル伝達経路を阻害することで、ミクログリアの過剰な活性化を抑制することを明らかにしました。さらに、脳内に炎症反応を誘発したマウスにおいて、自発的行動量の低下および脳内炎症性サイトカイン(脳内で炎症を引き起こす物質)の産生がTMLによってそれぞれ抑制される傾向にあることを確認しました。
本研究成果は、食品成分による中枢神経炎症性疾患の予防や症状の緩和について、新たな可能性を示したものであり、2026年7月3日にアメリカ化学会が発行する国際的学術雑誌「ACS Nutrition Science」に原著論文が掲載されました。
論文情報
- 掲載誌
ACS Nutrition Science - 題名
Effects of 5,7,3′,4′-Tetramethoxyflavone on Inflammatory Responses in Microglia and Lipopolysaccharide-Induced Neuroinflammation in Mice - 著者
Keishin Hyodo, In-Hae Kim, Satoshi Okuyama, Mikio Shindo, Takuya Sugahara, Kosuke Nishi - DOI
10.1021/acsnutrsci.6c00026
<大学院農学研究科>

