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地球深部ダイナミクス研究センターの西真之助教による原稿がNature Geoscience誌に掲載されました

 英国ネイチャー出版のNature Geoscience誌電子版(2014年12月8日出版)に、地球深部ダイナミクス研究センターの西真之助教による“Deep water cycle: Mantle hydration”(地球深部水の循環:マントルの含水化)に関する原稿が、News and Views欄に掲載されました。
 地球深部における水の存在量とその循環については、様々な議論がありますが、西助教等が発見した新しい含水鉱物Phase Hの存在(Nishi et al., Nature Geoscience, 7, 2014,以下HP参照)、最下部マントル領域までの水の輸送メカニズム(Ohira et al., Earth Planet. Sci. Lett. 401, 2014),マントル深部起源のダイヤモンドからの含水高圧相の発見(Pearson et al., Nature 507, 2014)、下部マントル最上部における水の存在の証拠(Schmandt et al., Science 344, 2014)等と今年になって地球深部水に関連した重要な発見が相次いでいます。
 今回、ドイツバイロイト大学の地球科学研究所らのグループなどが、Phase Hの低圧型であるPhase Dがアルミニウムの影響で下部マントルの高温下でも安定に存在することを明らかにし、Nature Geoscienceの12月8日号に研究成果を発表しました(Pamato et al., Nature Geoscience, 2014)。西助教は、アルミニウムの存在がPhase Hの安定温度も上昇させることを報告しており、同誌編集部からこれらの一連の研究の意義に関する原稿の執筆を依頼され、解説記事がこの論文と同時掲載されました。解説では、アルミニウムに富んだPhase DやPhase Hが、下部マントル領域において水を吸収して運搬する役目を果たす可能性を指摘しており、今後の研究に進展が期待されます。

参考HP

含水鉱物相“Phase H”の発見
Nature Geoscience誌
地球深部ダイナミクス研究センター