お知らせ

沿岸環境科学研究センター 田辺信介 教授 が紫綬褒章を受章

 平成23年6月15日(水)付けで、政府から平成23年春の褒章受章者が発表され、本学の沿岸環境科学研究センター 田辺信介 教授 が紫綬褒章を受章されました。紫綬褒章は、「学術芸術上の発明改良創作に関して事績の著しい者」に対して授与されるもので、本学からは初の受章者となりました。

 田辺教授は、昭和50年に本学の大学院農学研究科修士課程農芸化学専攻を修了し、昭和52年農学部に奉職以来一貫して、環境化学を専門分野とする研究を行ってきました。
 今回の受章は、その専門分野において、化学汚染に関わる世界トップレベルの研究を推進して多数の具体的研究成果を積み重ね、学問体系を確立するとともに、国内外の人材を育て、学界・行政・社会への多大な貢献を果たしたこと、また、その功績が環境学の進展や行政施策に大きな波及効果をもたらしたことが認められたものです。

田辺教授のコメント

「今回の受章を大変光栄に思っています。これまで支えてくれた恩師、学長をはじめとする教職員、研究室の教員、学生、卒業した学生、素晴らしい仲間に恵まれたことに大変感謝しています。特に私を学問の世界に導いてくれた立川涼名誉教授には深く御礼申し上げたいと思います。
 1969年に入学以降、卒業論文、修士論文、そして博士論文の研究をここで行い、まさに「愛媛大学で生まれ、愛媛大学で育った」と思っています。そして教員になる機会、学者として成長していく基盤、思う存分研究ができる場を提供していただいた愛媛大学には深く感謝しています。この地に根を生やしたが故に、世界トップレベルの研究ができたと思っています。
 愛媛大学は伝統的に環境学に強い、環境化学の発祥の地だと言われますが、こうした社会的評価を得ることに参画できたこと、貢献できたことは幸せでした。
 また、世界的国際的な研究成果を上げるうえで研究者の協力は欠かせません。とくに、途上国研究者の協力には大変感謝しています。途上国との共同研究が私の学問を育ててくれた、といっても過言ではないと思っております。」

柳澤康信学長のコメント

「田辺教授は、21世紀COE、グローバルCOE等、国の代表的な競争的資金の研究代表者であり、これまで長い間地球環境化学の分野を牽引してこられました。残留性有機汚染物質に関する地球規模での分散や、海の哺乳動物が汚染物質から受ける影響を明らかにし、また、世界規模の生物試料の蓄積にも40年前から取り組んでこられました。
 愛媛大学からの紫綬褒章の受章は初めてのことです。我々としても非常に名誉なことであり、これまでの田辺教授の長年に渡る努力を称えたいと思います。」

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記者会見で記者からの質問に答える田辺教授(右)

 

<広報室>