この授業は、1・2・3・4・5・6などの数字と音楽との関係性を考えながら、科学的に音楽の面白さを解釈することを目的としており、リズムやハーモニー等、音楽の要素を分析しながら合唱を進めることで、その面白さを体感してもらう授業です。

授業内容

取材した日の授業は、大演奏室という講義室で行われました。天井が高く、ステージがあり、壇上に並ぶグランドピアノが印象的です。授業開始時にチームの確認があり、同じチームの学生が並んで着席するとすぐに先生が声をかけ、ピアノ演奏を始めるとともに受講生が歌い出します。曲は「翼をください」「ふるさと」「君をのせて」などで、高音と低音のパートに分かれて合唱していました。一通り歌い終えてから、発声についての指導や、ハーモニーの音の取り方などをペアごとに確認していきました。先生は声の出し方や歌い方を実践しながら指導し、呼吸法が大事であることや、同じ音でも喉の奥を上げて共鳴させて歌うと違いが出ることなどの説明がありました。

この授業では事前に学生に、1~8までのそれぞれの数字と音楽に関係するワードで何が思いつくかのアンケートを行っており、この日は「4」について取り上げていました。

四分音符、カルテット、4和音などのアンケート結果を見ながら、例えば「4度」や「増4度」についての話では、ピアノで実際に4度の音を出したり、学生に声を出してもらったりと先生が一方的に説明するだけではなく受講生は体感しながら学んでいきました。

先生は「どうする?」「相談してみて」など学生に頻繁に声をかけ、学生はチームやペアで相談したり歌ったりと、皆でコミュニケーションを図りながら進められました。

授業の最終回では発表会が予定されており、この日の最後には発表会で歌う曲を何にするかについて、全員で実際に数曲歌って検討していました。ここでも先生の「どうする?」が何回も登場し、学生が主体的に考える姿勢を育んでいることが伺えました。

数字をベースにして音楽の世界を広げるという視点は面白く、そこに一人では成り立たない合唱を取り入れることで、学生同士のコミュニケーションの場ともなっています。先生は終始明るく楽しい雰囲気で授業を進めており、心を豊かにしてくれる音楽の力を感じることができる授業です。

教員からのコメント

仲間と歌うことを通して、コミュニケーションを図り、その表現の面白さを体感する。 これがこの授業の一番のキーポイントです。自分でしか歌えなかったコロナ禍を越えて、人間の歌声のハーモニーの素晴らしさを自分の身体と脳で感じ取って欲しいと思っています。そのために、数字との関係性をもとに、理論的に音楽の面白さを考えていきます。メロディー、リズム、ハーモニー、音色(歌声)等、どれも数字と大きく関係しています。その学びが楽しみになるように授業を展開しますので、是非歌いに来てください。歌いながら皆さんの表情が明るくなっていくことに喜びを感じています。

受講生のコメント

工学部工学科 3年生 丹下 大知さん

あなたが好きな曲を思い浮かべてください。
それは楽しい曲ですか?悲しい曲ですか?

芸術の世界は、人々を魅了する不思議な世界です。その美しさの表現方法には様々な形があります。例えば、絵画や彫刻、舞踊、音楽などが挙げられます。
特にこの中でも「音楽」は私たちに最も身近なものなのではないでしょうか。
コードや拍の取り方など、音楽と「数」には切っても切れぬ関係があります。私たちが普段耳にするようなJ-POPやクラシックなども例に漏れません。
音楽から感じられる軽快さや緊迫感、焦燥感などの感情はどのようにして得られるかを学べば、より深く音楽を理解し楽しむことが出来ます。

私たちはこの授業で音楽と数の深い関連性を学びながら、和音の仕組みや発声方法を教わり、かつそれらを意識して仲間と合唱の練習に取り組んでいます。大学ではこのような多様で興味深い知見を得る事ができます。高校生の皆様、受験頑張ってください。

楠先生と丹下さん