itooka_sam この授業では、運動・スポーツを通したコミュニケーションについて、経験的にコミュニケーションを図りながら、その指導方法について学びます。

 

 

 

 

授業内容

itooka_1 この授業は、3つのユニットで構成されており、A.コミュニケーションワーク、B.スポーツ指導の基礎・基本、C.スポーツイベントの企画・運営の各ユニットが4時間ずつ実施されます。  取材日の授業は、コミュニケーションワークのユニットであり、運動・スポーツを通したコミュニケーションについて、経験的にコミュニケーションを図りながら、その指導方法について学びます。この日は、「キンボール」という大きなボールを使ったコミュニケーションワークを実施しました。

 

itooka_2 始めに、2人1組でストレッチを行います。毎回、できるだけ多くの学生同士でコミュニケーションがとれるように、ペア決めが工夫されています。今回は、前回の授業で決めたニックネームの順に一列に並びました。学生たちは、教員からの説明を聞きながら、お互いにコミュニケーションをとり、楽しそうに取り組んでいました。

 続いて、ゲームに入りました。学生たちは4〜5人ずつのチームに分かれ、チームごとに赤・青・黄色・オレンジのゼッケンをつけました。本来キンボールは、3チーム対抗で行うスポーツですが、授業では人数の関係上、4チーム対抗で行いました。そして、教員から以下のようなルール説明がありました。

  1. ヒット(サーブ)する人(ヒッター)を1人決め、他のメンバーでボールを支える。その際、全員がボールに触れていないといけない。
  2. ヒッターは「オムニキン赤」など、「オムニキン」の後に他のチームの色を言いながらヒットする。ヒットは両手を組んで上に飛ばすように打ち、ヒッターは1回ごとに交代する。
  3. 指定されたチームは、ボールが床に落ちる前にレシーブ(全員で捕球)しないといけない。
  4. ボールを落としたチーム以外のすべてのチームに得点が入る。

itooka_3 まず、チームでヒット、レシーブ(受ける)の練習をし、ゲームが始まりました。始めは、コールの声が小さい学生や、チームワークがとれていないチームもありましたが、回数を経ていくうちに、他のチームの居場所を考えながら、プレーできるようになりました。ゲームの合間には作戦会議を行い、学生たちの顔には、真剣さと笑顔が見られました。

 

 

itooka_4 ゲーム終了後、前回の授業で出された課題が返却され、教員から評価の高かった学生の課題が披露されました。最後に、今回の授業の振返りを行い、学生一人ひとりが感想を述べました。授業を通して、学生同士の交流が深まり、学生たちはコミュニケーションの大切さを改めて学ぶことができました。

 

 

教員からのコメント

 この「スポーツと教育」という授業は、教員免許状を取得するにあたり、校種や教科にかかわらず必要となる必修科目です。なぜ体育の先生になるわけではないのに、この科目が教員免許の取得にあたり必修として位置付いているのか、そのことを踏まえ、2年前に授業内容を再検討しました。その結果、現在の3つのユニット「コミュニケーションワーク」「スポーツ指導の基礎・基本」「スポーツイベントの企画・運営」からなる授業内容を構成しました。

itooka 私が担当する「コミュニケーションワーク」では、運動やスポーツを通して仲間と豊かに交流できる方法を理解し、協働的態度を取ることができることを目的としています。色々な場面においてコミュニケーションは求められますが、教員になった場合、子ども同士の良質なコミュニケーションを促すことができれば、教育成果が高まることはいうまでもありません。  
 この授業を通して、コミュニケーションを深める意義や、そのツールとしての運動・スポーツの価値を理解し、その指導法を理解していくことを期待しています。

 

学生からのコメント

itooka_stu スポーツと教育では、学校における体育的行事や運動部活動などの指導場面で求められる健康や安全に関する知識や指導法について学習し、実践的な指導力を身につけることをねらいにしています。運動やスポーツは、仲間と容易に交流できるコミュニケーションツールの1つです。関わり方を知ることで、様々な場で活かすことができます。正しいトレーニングの仕方や指導方法についての知識習得もでき、自分や他者に活かしてあげることが可能になります。また、スポーツイベントを自らが企画・運営することで、必要なノウハウの理解を深めることもできます。  
 このように、この授業の中には様々な要素が混じっており、1つの授業で運動やスポーツについての教育に関連した内容の多くを知ることができます。実際の教育現場で活かせる内容が多く詰まったこの授業を、みなさんにもぜひ受講してほしいと思います。