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授業紹介 I Report

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2021.09.22
電気回路Ⅰ
工学部
担当教員:工学部 門脇 一則 教授  / 対象:工学部工学科2年生~

※掲載内容は取材当時のものです。

 この授業は、工学部工学科電気電子工学コースの2年生を対象とした全15回の授業で、後学期に開講される電気回路Ⅱに繋がる基礎となるものです。本授業を通じて、電気回路における抵抗、インダクタ、コンデンサ、電源などの2端子素子の性質、直流回路の解析、交流回路の基礎となるフェーザ表示及び簡単な交流回路を取り扱い、定常状態にある電気回路解析法の基礎を修得することができます。

授業内容

教科書の一部

 授業は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、遠隔授業(同期型と非同期型の混合)により開講されています。特徴としては、プレゼンによる授業だけではなく実験動画の配信を取り入れている他、担当教員自らが作成した教科書の穴埋め解説によって、動画とテキストの両面から学生の理解を深めています。

 取材を行った授業では、直流回路の基礎を学ぶ上で、電気の流れは見えないため、水の流れと対比させながらイメージを膨らませました。そこには、高いところから低いところに流れる点や、水位差や電位差が生じることで水圧や電圧が加わり、それが水や電気を動かす原動力になる点などのアナロジー(類似性)が存在するとの解説がありました。また、水位差のあるタンクにポンプを連結させた図を参考に、回路における電流・電荷・電気量・電気抵抗について考えるなど、水という目に見えるものを使って電気をイメージさせるという導入がなされていました。

実験の様子

 そこから、オームの法則という基礎的な定義を学び、教科書を使った解説だけではなく、担当教員が実際に行った実験動画を配信して、電圧や抵抗の調整による電流の変化などを視覚的に確認しました。また、サーモグラフィを使って回路上の電流や抵抗値の設定によって変化する発熱状況を観察するとともに、合わせて熱損失についても解説がありました。これらの実験が、例題の解答・解説に直結していて、授業で学んだオームの法則や回路における分流の法則や分圧の法則などを使い、分かっていない箇所の電流や電圧の値を求める問題にも同時に取り組んでいました。

 本授業を取材するまでは、遠隔授業は講義形式のイメージが強く、実験動画を盛り込んだ手法にはとても驚かされました。また、その実験が問題演習にそのまま結びつくなど、実験を通じて学んだことが即座に演習・実践に活かすという流れによって、理解が深まるのだと感じました。

 

教員からのコメント

 「電気は目に見えないから難しい」「高校物理の中で一番苦手だったのが電気回路」、こんな言葉をよく耳にします。とはいうものの、今も昔もこれからも、電気回路は必修科目であり、電気電子工学の根幹をなす学問です。何事も重要なのは基本、それは工学でも同じです。テレビ、ラジオ、照明器具、洗濯機に冷蔵庫、エレベータ、太陽電池に風力発電、巨大な送電線路(写真参照)、電気回路で学ぶ内容の多くがこれらの基礎をなしています。

 令和3年度、コロナ禍の中で電気回路Iをより良い授業にするためにはどうしたら良いか、私なりに考え出した結論が、「(実験を)やってみせ」「(解き方を)言って聞かせて」「(演習を)させる」の反復学習です。まず、毎週の予習として、オンデマンド配信された私の講義動画を事前に見てもらいます。この動画では、教科書の解説だけではなく、多くの実験の様子が組み込まれており、電気回路が実際どのように応答するのかを解説付きで見ることができます。教室での対面授業で100人の受講者を前にして、教壇の上で実験をしたとしても、座っている学生さんには何も見えません。動画配信だからこそ、やってみせる授業の提供が可能となりました。予習を終えた学生さんは当日のオンライン授業(同期)に臨みます。授業では、予習段階での理解度を確認するため、基本的な問題に全員で一緒に取り組みます。オンラインの向こうで、私の話を聞きながらでも学生さんが鉛筆を動かせるよう、ゆっくりペースで解き方の要点を解説します。そして授業を終えた後に、復習として教科書の演習問題に、各自で取り組んでもらいます。

 遠隔授業を通じて近年の通信技術の著しい進歩を目の当たりにし、驚くばかりです。これを支えているのも電気電子工学です。電気無くして現代社会は成り立ちません。暮らしを支える電気について、大学で深く学んでみませんか。

学生からのコメント

工学部工学科電気電子コース2年生 橋本 悠之介 さん

 電気回路Ⅰの授業では、これから応用的な問題を解くうえで土台となる知識を身につけることができます。また、予習動画をつくってくれているので、初めて聞いた言葉がなくスムーズに授業に臨むことができ、授業では予習した内容を使って練習問題を解くので実践的な解く力も身につきます。

 大学の授業は高校と違い、公式を暗記するだけはなく原理を理解していなければ、問題を解くことはできません。この授業では、実際に実験しているところを見せてくれるので、教科書に書いてある言葉だけでは理解しにくいことも、視覚的に理解できます。電気回路の面白いところは、問題を解く際に一通りの解法だけではなく、回路の見方を変えたり、分離したり、電圧源などを変換したりと工夫することで様々な解き方ができるところだと思います。電気回路が苦手な人でも楽しく解けるようになるので頑張りましょう!