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平成29年度愛媛大学図書館学術講演会を開催しました【10月20日(金)】

 平成29年10月20日(金)に、南加記念ホールで図書館学術講演会を開催し、学内外から約250人の参加がありました。
 講師に、元在ルーマニア日本国特命全権大使の雨宮夏雄氏をお招きし、「大使の1日と大使館の仕事」をテーマにご講演いただき、普段見聞きすることのない大使や大使館の仕事の一端を知る貴重な機会となりました。
  雨宮氏は、過去の在外経験の中で、ルーマニアで大使として過ごした3年間が最も充実しており、その理由として、1つは大使の仕事が大変やりがいがあるということと、2つ目に大使館をはじめとする在外公館で働くということは、日本と赴任国との歴史を作っていくことに他ならないということ、そして東欧諸国は大変魅力的であり、人々は素朴で日本に対して非常に関心を持っており、その点においても手応えを感じたと話しました。

  
 大使館の仕事において、外交政策を立案する上で一番大事なことは日本の立場を知らせることです。日本の外交における基本方針は、「民主主義」「市場経済」「法による支配」の3点で、これをもとに国の統治を行っているため外交も同様に進めています。国際社会との問題が発生した際、この3つの基本的な考え方をもとに交渉します。また、広報・日本文化紹介も外務省および大使館が一体となって実施していることのひとつであり、大使館でも様々な文化事業を行い、日本文化や日本人の魅力を発信していく拠点となっています。そして、大使館は、日頃から現地での調査活動を通して、日本の外交方針が違った方向へ進まないよう行き先を示し、日本人旅行者および滞在者の海外での安全を見守るいわば灯台のようなものであると述べました。
 なお、大使館では、外務省職員だけでなく、現地で採用された職員も含め様々な専門家が働いており、大使館の活動を支えていることを話しました。また、大使の仕事は多忙を極め、80ヶ国の大使館が毎年1回開催するレセプションにも全て出席しなければならず、終始笑顔でいることが重要で、体力勝負でもあると話しました。
 東欧については、「東欧を制する者が世界を制す」というH.マッキンダーの言葉を紹介し、東欧が東西勢力の通過する要衝であること、加えてEU東端に位置するルーマニアの地政学的重要性について説明しました。
 本講演会には、愛媛大学生および附属高校生が多数参加していたため、国連資料である「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に基づき、17人の若いリーダーを国連が任命し発表したという記事も紹介し、雨宮氏からは、将来この中から若いリーダーに選ばれる人が出てきてほしいという願いと、どんな小さなことでも構わないので、世界を変えるための17の目標で取り組めそうなことをやってみましょうと、未来を担う若者たちへエールを送りました。

資料を使って講演する雨宮氏

講演会資料(PDFファイル 1MB)