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授業紹介 I Report

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2015.06.16
小児科学:小児の成長・発達と疾患
医学部
担当教員:石井 榮一 / 対象:医学科4回生〜

※掲載内容は取材当時のものです。

サムネイルこの授業では、小児疾患の病態、診断、治療を理解し、小児の成長・発達に与える影響について考えます。

 

 

授業内容

授業1 取材した日の授業では、小児科学の導入題材として、少子高齢化の問題が取り上げられました。現代の日本では、出生者数より死亡者数が多いという“自然減少”の傾向が拡大しています。教員は、統計データを基に、1人の女性が一生に産む子どもの数は平均1.43人で、出産年齢の上昇に伴い、低出生体重児の割合が増加していると説明しました。また、少子化の理由として、経済的理由による男性の未婚や女性の社会進出によって子育てが難しくなっている現状を挙げ、それを受けて国が取り組んでいる少子化対策、社会全体で子育てを支えるという「子ども・子育てビジョン」を紹介しました。
 このような背景を踏まえ、小児医療が担う役割についての授業がスタートしました。小児医療とは、「胎児から出生、小児、思春期を経て、成人、妊娠」といったサイクルを保障する成育医療です。生まれつきの病気による障害を防ぐため、早期発見・早期治療を行うマススクリーングについて、対象疾患や解析方法、異常発見率等の説明がありました。

 授業2また、小児医療には、加齢で起こる病気以外は成人と同じで、多くの分野があります。教員は、小児医療では予防医学が重要であること、さらに、小児保健や健診の意義、育児相談としての母乳栄養の必要性、予防接種の最近の動向などについて説明しました。
 その中で、乳幼児健診を実施する時期について「1歳半の後、なぜ3歳で行うのか」と質問を投げかけられると、学生は「発達を見るのに適した年齢であるから」と的確に答えていました。

 予習・復習を怠らず、講義に臨む学生の姿に、未来の医師としての自覚を感じ、それぞれの分野での活躍が期待されます。

教員からのコメント

 石井先生小児科は、単に新生児から思春期までの子どもの病気を治療するのではなく、”成育医療”という胎児から小児、成人まで各成長・発達段階で起こるさまざまな病気を診断・治療する学問です。小児も成人と同じように全ての領域の疾患がありますが、年齢によって起こる疾患は異なっており、従って対応も異なります。領域としては血液、腫瘍、免疫、循環器、新生児、神経、内分泌、アレルギー、腎、膠原病の成人と共通の各領域の他、予防接種や小児保健などの予防医学という小児科特有の領域があります。
 小児科の授業では、これらの分野を小児の成長・発達の中で理解し、診断から治療を行う思考方法と手順を学びます。また小児の多くは発熱、咳、下痢といったありふれた症状を主訴に来院することが多く、それらを的確に診断しその中に混ざっている重篤な病気を見分けることが必要です。これを”プライマリケア”と呼び、小児医療の特徴の1つです。授業の後半では、これらの症状から考えられる疾患を同定し、治療方針を立てるという診断学を学びます。そして最後に、小児科特有の出生前医学と遺伝学も学びます。
 以上、小児科学は成育医療であり、常に子供の成長・発達と病気の関連性を念頭に置く必要があることを是非この授業を通じて感じ取ってほしいと思います。子どもたちの健やかな成長こそが社会の明るい未来につながるのですから。

学生からのコメント

 学生さん小児科の分野は、内科や外科など、これまで習ってきた範囲の科目の勉強をしなければならないと聞いていたため、しり込みしていました。しかし、授業を受けて、全体の範囲は広いけれども、小児には特徴的な症例がいくつかあり、それらを中心に勉強すれば良いことが分かり、安心して方針を立てることができました。また、授業では国家試験の問題を扱ってくれるので、重要な疾患がどれなのか、どのような形式で出るかを知ることができ、復習もしやすいと思います。